アルカンシェル
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す!」
そしてブリッジのモニターに映し出された特殊兵器の全容を見て、なのは達は周りの見る目もはばからずに吹き出した。一目見るだけでたまらずせき込むほどの衝撃が彼女達を襲ったのだ。
一昔前にブリキで作られてそうなレトロなデザイン、真っ黒な鉄腕と真四角の頭部にへちゃむくれな顔、どこか見覚えのある白い制服を着たロボット。明らかに今のシリアスな場にそぐわない外見の機体、しかしその胸に宿るは人を愛し、世界を守る正義の光!
『全人類よ、刮目せよ! 愛と希望を守るために世界の危機に立ち上がった、あのロボットの名は……超次元機動戦士“ナノハンダム”ですッ!!』
なぜか突然、通信に割り込んできたユーリが気迫のこもった表情で叫んだと同時に、ナノハンダムも斜めの姿勢で大股になり、右手の人差し指を天に向け、左手の人差し指と小指を下に向けて、ラグジュアリーなポーズをバァァン! と決めていた。……うん、そろそろツッコミの声を入れてあげるべきだろう。
「アホかぁああああ!! なんであんなボケ満載なロボット作ってんねん!! 効果音と演出付きとか、無駄に気合い入りすぎやろ!! いくらなんでも空気読めやぁああああ!!!!」
「せめて見た目とかもうちょっと何とかならなかったの!? 今から決戦だっていうのに、一気に力が抜けちゃったよ!? ユーリのセンスはどこに向かってるの!?」
「モデルにされた私ですら、もうどこからツッコめば良いのかわからない! っていうかコレ絶対おふざけで作ったよね!! なんか無駄にすごく高い技術で作られてるけど、もっと別の方向に力を注ぐべきだったよねぇ!!」
目を逆三角にしたはやて、フェイト、なのはの猛烈なツッコミが炸裂する。アインスとリイン、シグナムも困惑する中、ユーリの真意を知るアギトはナノハンダムがこのような形で表に出てしまったことを残念に思っていた。
「(マザーベースにいる子供達の遊び相手として、ユーリとレヴィがはまってたアニメのロボを真似て作ったはずのアレが、世界の防衛のためとはいえ兵器に転用される……皮肉だな。なのは達からはふざけてるように見えるんだろうが、一番悲しんでるのは何を隠そう、製作者のユーリなんだよなぁ……)」
そう考えてアギトは画面の向こうにいるユーリが悲しい様子をおくびにも出さないのは、出撃前に心の中でケジメをつけたからだろうと判断した。
それはともかく、エネルギーをチャージし終えたナノハンダムは、なぜかアディオスと言いそうな仕草を取った。その意味がわからず、はやて達は首を傾げるが……ゴリアテのクルー達は“彼女の意志”を察し、思わず敬礼する。
そしてナノハンダムは背中のジェットを展開し、高速で飛翔、はるか彼方の次元空間から超高速で飛んでくる次元跳躍弾頭に向かって……、
ドォーンッ!
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