アルカンシェル
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を己がモノとせんと企む傲慢な者達もいる。彼らは魔法の力にうつつを抜かし、魔法を持たぬ我らの力を侮っている。このままでは諸君らの孫子の代で、この危機が繰り返されることだろう。それではこの愚かな戦争が再び繰り返されるだけだ! ゆえに今こそ、我らフェンサリルの人間は示さねばならない! 魔導師が相手だろうと、我らは心から屈しはしない! どれほど強大な脅威に面しようと、どれだけ強力な存在が立ちはだかろうと、フェンサリルの魂は決して潰えない! フェンサリルには神の喉笛をも抉り取る力があると、全ての次元世界に知らしめるのだッ!!』
『ウォォオオオオオオォォォオオオオォォォオオオッッ!!!!!』
「皇子ィ! 皇子ィ!! 皇子ィィィィーーーーッ!!!!」
ロックの演説にゴリアテのクルー達と艦内の兵士達、及び艦長が雄叫びを上げる。そのボリュームはこの巨大なゴリアテすら轟かせるほど凄まじいもので、はやて達は耳がキーンとするのを耐えていた。ちなみに……、
「え? え?? ロックが……ミーミルの皇子? ど、どういうこと?」
「あれ? フェイトちゃん知らなかった?」
「初耳だよ!? むしろなのは達はどこで知ったの!?」
「それはサヘラントロプスとの戦いで……あ! そういえばフェイトちゃん、あの時撃墜されて気絶してたから知らないんだっけ」
それだけではなく、これまでロックが皇子だという話題が出ている時に限って、フェイトはその場にいないか、いても聞けなかった事が多かった。他にも某国の皇子などと表現されて、単語同士が結びつかないことにもなっており、まるで運命の悪戯が働いてるかの如く、フェイトにだけその情報が届かないようになっていた。
「うあぁ〜! もぉ〜! 道理で時々話が噛み合わなかった訳だよぉ! 誰か教えてよぉ〜!」
ようやく自分だけズレてる原因が判明したフェイトは半泣きで頭を抱え、軽い仲間外れ感に苛まれてしょんぼりと落ち込んでしまった。そんな彼女とは対照的に、ゴリアテのクルー達のボルテージは最高潮に達した。
『第13代ミーミル皇帝ロック・ラピス・ミーミルが命ずる! フェンサリルを守り抜け!
ゴリアテ、発進!!』
『ラジャーッ!!』
そしてゴリアテは重厚な音を響かせて動き出し、ゆっくりと空へ上がり……次元空間へのゲートを開いて、フェンサリルの外に飛翔していった。
しかし直後、艦内に警報が鳴りだす。
「アウターヘブン社マザーベースより緊急通達! 次元跳躍弾頭、第二射接近!!」
「なんだとォ!? ま、まさか! 敵はたった30分で次弾を発射してくるのかァ!! 通信兵! アウターヘブン社の例の特殊兵器とやらはどうなっているゥ!?」
「現在、迎撃態勢に移行しているようです。レーダーの映像、出しま
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