アルカンシェル
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顔になれるように頑張った方が、私は何十倍も良いと信じています」
「リスベス……その……今まで何も知らなくてごめん。その償いのためにも私、絶対にこの世界を守る。約束するよ」
「はい。これから色々大変かと思いますが、機会があればぜひ、また店に来てください。腕によりを振るって美味しい料理をごちそうしますので」
戦争で家族を失い、形見の店しか残らなかったリスベス。敵と戦う力は無くとも笑顔にする力は一人前の少女に、フェイトは心の底から尊敬の念を抱いた。そして彼女のような意思を潰えさせないために、自分達は戦うのだと改めて強く理解するのだった。
それからリスベスが施設の奥に台車を運んでいくのを見届けた後、解放軍の人間が訪れて一同はフェンサリル製次元航行艦までトラックで案内してもらった。なお、トラックに乗る際に局員組はデバイスを返却されたのだが、SOPの影響で機能はストップしたままであり、未だ戦闘に使える状態ではなかった。
自分のデバイスが一切反応しないことに局員組が苦い顔を浮かべていると、やがてトラックはノアトゥンの北にある山脈に建てられた基地に到着する。そしてトラックを降りたジャンゴ達は、滑走路で待機している巨大な次元航行艦を目の当たりにした。
“フェンサリル製次元航行艦ゴリアテ”。無数のプロペラがつき、バルカン砲なども大量に装備した超弩級戦艦だった。あまりのサイズにこれを映像で見たクロノは、「体当たりされたらアースラの方が先に押し潰れそうだ……」と頭を抱えたそうな。
案内されるまま一行が乗り込むと、格納庫には解放軍の戦車やヘリ、シャゴホッドや銃器などの兵器が所狭しと置かれており、兵士達がせわしなくそれらの点検、確認作業を行っていた。大量の質量兵器の山に圧倒された一行は、ゴリアテ内部で一行が待機する客室などを教えてもらいながら最終的にブリッジに到着する。
「火器武装異常なし」
「次元転移ジェネレーター充填完了」
「メインエンジン起動」
「了解ィ! ロック皇子、ゴリアテ発進準備完了しましたァ!!」
クルー達の報告を聞き、艦長がやけに大声でノアトゥンと繋がっているモニターの向こうにいるロック皇子に準備完了の旨を伝える。そしてロックは深呼吸し、威厳を伴いながら言葉を紡ぎだした。
『皆の者、これから赴くのは異なる世界だ。未知なる地への出撃に、当然不安もあろう。だが諸君らの肩には我らの祖先が眠りし大地、我らが同胞の生きる世界の命運がかかっている。知っての通り、フェンサリルは外の世界から訪れた脅威によって、消滅の危機に立ち会っている。これを跳ね除けなければ、我らの祖先から代々受け継がれた誇りが、大地が、祖国が、命が灰燼に帰してしまう。更に言えば、この危機を招いたにも等しい管理局、及び管理世界には我らの大地
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