アルカンシェル
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ルヘイムに突入する少し前、ゴリアテに搭載されていた新機能ゲートキーパーによって、管理局では不可能だった次元断層をまさかの力づくで突破したのが理由だ。
はやて達が唖然とするのを尻目に、極めて最小限のタイムロスでニブルヘイムに到着したのはいいが、同時に管理世界と管理外世界の技術力の差が思った以上に狭いどころか、むしろ管理外世界の方が上回りつつある状況に、アインスは「時代が変わりつつあるのかもしれない」とぼやいていた。
「外気温、マイナス8℃。気圧、968ヘクトパスカル。風速11メートル。典型的な氷雪気候です」
「前来た時……あ〜オリジナルのことね。その時も思ったけど、とにかく寒いんだよね、この世界」
「吹雪のせいで全く外が見えないけど……大丈夫なの?」
「ゴリアテの気象レーダーによると、もう少し飛べば吹雪を抜けられるそうだ」
「つまり吹雪を脱出してからが、決戦の始まりっちゅうことやな」
はやての言葉でなのは達も一旦緩んだ気を引き締めなおす。数分後、ゴリアテは吹雪を抜けるが、すぐさま視界に入った光景にクルー達もつい息をのむ。
「ゴリアテも相当デカいとは思っとったけど、あちらさんもどっこいなレベルのデカブツを出してきよったなぁ……正直、魔導師だろうと人間が相手するもんじゃない規模や」
敵戦艦名、アーセナルギア・アルカンシェル。マキナが教会で手に入れたデータをユーリが道中で解析したことでその名前が判明したが、“アルカンシェル”の名を冠している辺りに自らの兵器に対する自信と、『管理局の技術が生み出したもの』という側面を大っぴらに見せることで敵意を煽らせる目的があるのは察せられた。
「戦艦名もアルカンシェル、主兵装もアルカンシェル……なんかアルカンシェル尽くしだね」
「わざとややこしくしとるんやな、名称を同じにすることで私らが識別しにくいように」
「こんな所まで面倒くせぇ真似するんだな、スカルフェイスの野郎は。もう戦艦の方を言うときはアーセナルギアでいいだろ。んで、どうやって攻め込む?」
アギトの質問を受けて、再度通信が繋がったユーリから説明が入る。
『データ上のスペックではありますが、あのアーセナルギアの迎撃能力は管理局のL級次元航行艦モビーディック10隻分に匹敵します。外部からの破壊は不可能と言って良いでしょう。よって何とか迎撃網を突破し、内部へ突入する必要があります』
「なるほど、戦艦相手なら魔法があろうが流石にキツイけど、白兵戦なら今の私らでも戦えそうやな。問題はどうやって入るかやけど……先行して交戦中のシュテル達から連絡はあらへんの?」
『早速、私をお呼びですか』
話を持ち出した直後、ゴリアテにシュテルからの通信が入る。モニターに映ったシュテルはルシフェリオンにシー
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