第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜休日の裏、脈動〜
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それを聞いてキャロが更にあららら・・・・とあぁ〜あ、を合わせたような顔をして呆れる。
「それは・・・・ダメだね」
「うん、あのときは僕も、えぇ〜〜?ってなった。でもね、それでもあの人はすごいんだよ。強いし、かっこいいし、世界の話なんて、面白いものばっかりだったよ」
「そうだね・・・・あの人は確かにすごいね・・・私ももっとお話ししたかったなぁ・・・・もう帰って来てくれないのかな・・・・」
このとき、キャロとエリオの蒔風に対する感覚はまとまったようなものだ。
彼は、ダメだが凄い人、と
そして、キャロの最後のぼやき。
それに、エリオは自信を持って返した。
「舜さんは帰ってくるよ。僕はそう信じてる」
その眼には信頼に似た確信があった。
あの人はきっと、僕達のために帰って来てくれる。
理屈とかじゃない。理由なんてない。
ただ、蒔風と私生活を共にした彼だからこそ、そう何となく思えただけだ。
結局のところ、あれだけのことがあったにもかかわらず、エリオにとっては蒔風はそれくらいの人間なのだ。
自分に歪みを持ち、言ったことが思った通りに実行できない人間。
ただの、そんな人間なのだ。
簡単にダメな方へと転がって行けてしまう。
見下そうと思えば、簡単にできる。
今回の一件など、まさに致命的だろう。
だが、それでもエリオは構わないと思っていた。
なぜならば、そのズレやどうしようもなさ。
それこそ、人間ではないか。それを認め合っていくのが、仲間という物だ。
「でも、舜さんに送ったメール、一通も帰ってきてないよ?」
「それでもだよ。僕は毎日送ってる。帰ってきてほしいんだあの人に。もっと話をしてほしい。もっといろいろ教えてほしい。もっとたくさん・・・・その・・・・遊んでほしいんだ」
「エリオ君・・・・」
「フェイトさんの話だと確か、舜さんの翼は「願いの翼」だったよね?だったら、僕の願いも、届いてくれるはずって、信じてる」
彼は信じる。一人の男の帰還をずっと。
蒔風は、仲間を拒絶した。
自分の存在が、いつか気づ付けてしまうのではないかと恐れて。
それは逃げだ。
エリオは、そう強く思う。
自分も、理由に差違はあれど他人を拒絶し、仕舞いには傷づけたことがある人間だ。
だが、それを救ってくれた人がいた。
だったら、今度は自分が誰かを救う番だ。
しかし、彼は蒔風の残したモノを知らない。
十年前の事件も詳細までは知らないし、その時どんなことをしたのかも知らない。
彼がこの世界に何を残したかなんて、わかりもしない。
今の彼には、願
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