第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜もう関われない〜
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・・・だったら・・・・」
なのははなおも蒔風と話そうとする。
だが、その言葉が途切れる。
それは、蒔風が立ち上がり、なのはの足元に来て、そしていきなり土下座をしてきたからだ。
「すまないなのは。俺はお前を何も知らずに、あんなことまでやってしまった。お前にはお前の考えがあった。今までお前が経験してきたことから導き出したものがあった。それを一方的に否定して、一方的に自分が正しいようにして、理不尽な暴力でいい感じにまで終わらせて・・・すまなかった。お前の方が正しかった。間違っていたのは、俺だ」
そして頭を上げ
「なのは、オレは今後の訓練には出ない。出動もしない。注意もしない。「奴」が出たら、その時だけ戦う。あんなことがあった以上、俺の歪みに巻き込めない。お前らとは関われない」
その言葉に、全員が絶句する。
もう、なにもしないと、彼は言った。
今まで、なにかあるとすぐに助けてくれた彼が、もう手をださないと、そう言うのだ。
「な、なんで・・・・・」
フェイトが聞く。
それに対し、蒔風が至極当然のようにさらりと言った。
「オレが残したもんに、ろくなものはない。この物語はオレがいなくてもしっかりと回るんだ。イレギュラーであるオレが相手をするのは、イレギュラーである「奴」だけだ」
そういって朝食を取り終わって席を立つ蒔風。
「もうお前らとは関われない。俺は・・・・俺みたいな何をし出すかわからない男が、お前らの物語には関与できるわけがない。だから・・・・・・じゃあな」
その場を去る蒔風。
その出口でばったりとはやてと会い、訓練場の件で深々と頭を下げ、もう二度とすることはない、と言って部屋に戻ってしまった。
「なのはちゃん、フェイトちゃん・・・一体何があったん?もうしないって・・・・あれ、ちょう違う意味に聞こえたんやけど」
はやてはもとより、訓練場での損害について蒔風に愚痴るつもりだった。
だが昨日蒔風は訓練後にはどこかに行ってて、出てきた後には部屋にこもってしまったのだから、彼女だけは何が起きたのかわからずじまい。
そのはやてに、そして後から来たヴォルケンズにも、蒔風の言葉をそのまま伝えた。
蒔風はその後悔から、彼女たちの前から去った。
その最後の言葉は、決別。
自分はこの世界では災厄にしかならないと。
自分がいなくとも、この物語は回って行けると。
自分が残せるものは、なにもないと。
そう思い至って、彼は表舞台から姿を消すと言ったのだ。
もう、蒔風は今までのように助けてはくれない。
なぜなら、彼がいなくても世界は回る。
彼の標的は「奴」
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