暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜もう関われない〜
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
・・・だったら・・・・」

なのははなおも蒔風と話そうとする。
だが、その言葉が途切れる。


それは、蒔風が立ち上がり、なのはの足元に来て、そしていきなり土下座をしてきたからだ。


「すまないなのは。俺はお前を何も知らずに、あんなことまでやってしまった。お前にはお前の考えがあった。今までお前が経験してきたことから導き出したものがあった。それを一方的に否定して、一方的に自分が正しいようにして、理不尽な暴力でいい感じにまで終わらせて・・・すまなかった。お前の方が正しかった。間違っていたのは、俺だ」


そして頭を上げ

「なのは、オレは今後の訓練には出ない。出動もしない。注意もしない。「奴」が出たら、その時だけ戦う。あんなことがあった以上、俺の歪みに巻き込めない。お前らとは関われない」



その言葉に、全員が絶句する。
もう、なにもしないと、彼は言った。

今まで、なにかあるとすぐに助けてくれた彼が、もう手をださないと、そう言うのだ。




「な、なんで・・・・・」

フェイトが聞く。
それに対し、蒔風が至極当然のようにさらりと言った。

「オレが残したもんに、ろくなものはない。この物語はオレがいなくてもしっかりと回るんだ。イレギュラーであるオレが相手をするのは、イレギュラーである「奴」だけだ」


そういって朝食を取り終わって席を立つ蒔風。


「もうお前らとは関われない。俺は・・・・俺みたいな何をし出すかわからない男が、お前らの物語には関与できるわけがない。だから・・・・・・じゃあな」



その場を去る蒔風。
その出口でばったりとはやてと会い、訓練場の件で深々と頭を下げ、もう二度とすることはない、と言って部屋に戻ってしまった。


「なのはちゃん、フェイトちゃん・・・一体何があったん?もうしないって・・・・あれ、ちょう違う意味に聞こえたんやけど」


はやてはもとより、訓練場での損害について蒔風に愚痴るつもりだった。
だが昨日蒔風は訓練後にはどこかに行ってて、出てきた後には部屋にこもってしまったのだから、彼女だけは何が起きたのかわからずじまい。


そのはやてに、そして後から来たヴォルケンズにも、蒔風の言葉をそのまま伝えた。





蒔風はその後悔から、彼女たちの前から去った。
その最後の言葉は、決別。

自分はこの世界では災厄にしかならないと。
自分がいなくとも、この物語は回って行けると。


自分が残せるものは、なにもないと。

そう思い至って、彼は表舞台から姿を消すと言ったのだ。





もう、蒔風は今までのように助けてはくれない。
なぜなら、彼がいなくても世界は回る。

彼の標的は「奴」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ