第十一幕その二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「少なくとも今はね」
「そう言うのが無欲だけれどね」
「そうなの」
「ええ、私はそう思うわ」
自分の後ろにいるナターシャにお顔を向けて言いました。
「あんたはそうよ」
「無欲なのね、私は」
「私が見たところはね、ただね」
「ただ?」
「あんただけじゃなくて五人共そうね」
ナターシャ達全員がというのです。
「欲がないね」
「僕お金好きだよ」
「僕もだよ」
「僕もやっぱり」
ジョージに神宝、カルロスが答えます。
「お金があったら何でも買えるから」
「それだけで困らないし」
「あんないいものないよ」
「金や銀、宝石があったら」
恵梨香も言います。
「奇麗だし」
「そうだよね、ただオズの国にいたら」
「必要ないしね」
「なくても普通に生きていけるから」
男の子三人は恵梨香に言います。
「欲しいって思わないよね」
「金や銀もこうして地下だと幾らでもあるし」
「都はエメラルドで一杯だしね」
「いつも見ていて傍にもあるから」
また言った恵梨香でした。
「特に欲しいとは思わないの」
「そうなのね、けれど欲が深いと幾ら持っていても欲しくなるものよ」
ビリーナはまた言いました。
「昔のラゲドー王といいね」
「あっ、そういえば」
「あの人は金も銀も一杯持っていたでしょ」
「宝石もね」
「それでもまだ欲しいって言ってたわね」
「それにオズの国の支配者にもなろうとして」
「既にノームの王様だったのにね」
何でも持っていたというのです。
「さらに欲しがっていたわね」
「何度も攻めようとして」
「そうした人もいるのよ」
ラゲドー王の様に欲深な人がというのです。
「だからあんた達はね」
「傍に一杯あれば満足っていうから」
「無欲よ、ただね」
「ただ?」
「時として欲が深いことも必要よ」
「無欲は美徳じゃないの?」
「美徳だけれど欲が深かったら何でもしたいって思うでしょ」
ビリーナはこうしたことも言うのでした。
「それで努力するから」
「いいの」
「私は欲が深いわよ」
自分のことも言ったビリーナでした。
「何でも欲しいから」
「それで冒険もして」
「頭も動かすからね」
そうして努力もするからというのです。
「欲が深いことも悪いことじゃないの」
「何か難しいお話ね」
「要するにあれだよ」
キャプテンも皆にお話します。
「欲が深くても自分で努力して手に入れればよくてね」
「盗んだり奪ったりしたら駄目なの」
トロットもこうお話します。
「生み出したり冒険をしたり発掘したりしてね」
「手に入れることはいいんですね」
「そういうことなの」
「つまりラゲドー王みたいにしたら駄目なんですね」
「そうよ」
「ビリーナみたいな欲の適
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ