第十一幕その一
[8]前話 [2]次話
第十一幕 ドラゴンと種
一行は地下の道、迷路の様に道別れをしているそこをビリーナの案内で的確に進んで行っていきました。
そして遂にです、ビリーナは前を見て皆に言いました。
「この角を右に曲がったわね」
「いよいよなのね」
「種がある場所に行けるのね」
「そうよ」
ガラスの猫とエリカに答えました。
「左右に道があるけれど」
「右に曲がったら」
「そこにあるのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「右に行くわよ」
「左に行ったら何があるの?」
ナターシャはビリーナにもう一方の道のことを尋ねました。
「それで」
「左は行き止まりよ」
「そうなの」
「ある程度は行けるけれど」
「進んでいくと」
「行き止まりになるから」
だからだというのです。
「行っても仕方ないわよ」
「そうなのね」
「だから気にしないでね」
左の道はというのです。
「そっちは」
「わかったわ、けれど地下はね」
「入り組んでいるでしょ」
「ええ、道も広場もあって」
「迷路でしょ」
「まさにそうね」
「それで中には色々なものもあるの」
その色々なものについてもです、ビリーナはお話しました。
「種もあってね」
「財宝もあるの」
「そう、そちらもね」
「そうなのね」
「財宝はあちこちにあるわよ」
オズの国の地下にというのです。
「金も銀も宝石もね」
「財宝も」
「ええ、あちこちにね」
「一杯あるのね」
「あらゆる場所にね」
「じゃあそういうものが欲しかったら」
「そういうものがある場所に行けばいいの」
こうナターシャにお話します。
「その時はね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「私は今のところはね」
「財宝には興味がないのね」
「何かオズの国にいると」
それこそというのです。
「お金の概念もないし食べるものにも着るものにも困らないし」
「そうした国だからね」
「ええ、それに欲しかったらその辺りにあるし」
「幾ら何でも」
「そう、充分にあるから」
それでというのです。
「私は別にいいわ」
「あんた無欲ね」
「そういう訳でもないけれど」
「それでもっていうの」
「この国には何でもあるから」
「だからなのね」
「別にいいわ」
財宝等はというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ