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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第五五話 明るけりゃ月夜
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いかな。」
甲斐の怪訝な言葉、過去何度かそういった事例があったからだ。
「そこでホイホイと馬鹿正直に渡すようなら、今の日本はどっちみち終わりだ。」
肩をすくめ苦笑する忠亮、むしろそれを望んでいるかのような違和感がそこにはあった。
だが、BETAに食い潰されるか、米国に食い潰されるかの違いしかないのは事実。
自立、自存を勝ち取る以外に日本帝国に未来はない。
BETAによる場合は言うに及ばず、米国に下ったとしてそうなれば日本はG元素を巡る各国との対人類戦争の先兵として使いつぶされる。
そして、相手は同じ―――BETAに祖国を蹂躙された者たちを相手にだ。
そんな情けない国に堕ち果てるのならいっそ、滅びてしまった方がマシだとさえ感じる。
「―――甲斐、日本がそうなる時が来れば……
己
(
おれ
)
は己の正義に従って動く。付いてきてくれるか?」
「水臭いよ、戦友だろ?―――ともに戦うさ、それが僕たちの大切な人を守ることに繋がる。」
「そうじゃない可能性もあるだろ。」
「今の君にそれはあり得ない―――あの子を守るために戦うんだろ?なら僕と同じだ。」
分かり切ってはいた、目指すものが違う可能性を指摘する忠亮。
しかし、それすら分かりきっていた甲斐が告げる。
戦う理由は同じ、ならばともに戦える。
「そうか、しかしお前が何時までも守るモノでもないだろ。奴も何時かは誰かの女になるんだぞ?」
「……それを言われると辛いね。それでも、たった一人の血を分けた家族、だからね許される限りは守っていきたいさ。」
静かな笑みとともに告げる忠亮に、引き攣った笑みを浮かべるもそれをすぐさま引っ込めて心の内を明かす甲斐だった。
「君にだったら安心出来るんだけどね。―――側室を囲う甲斐性は無さそうなのが残念だ。」
「お前、本気で言ってるのか?脳に蛆でも湧いたか。」
「冗談だよ。第一……妹を一番に考えない輩なんぞ、僕が斬って捨てる。」
「シスコンかよ。」
真顔で本気としか思えない甲斐の発言に、割と結構ドン引きな忠亮だったとさ。―――思わず地が出るほどに。
「其れはともかく、本気はおいておいて。」
冗談じゃなかったのか。
「彼らの鍛錬、一体どうする気だい?一週間やそこらじゃ付け焼刃にもならない。」
「確かにな、だから一度徹底的に叩き潰す。」
不適な笑みを浮かべる忠亮、野性的・好戦的ともいえるその笑みは唯依が見たこともないものであったが、その行動は唯依の読み通りでもあった。
「……彼らには同情するよ。」
そんな戦友に嘆息する甲斐、それに付き合わされるのは火を見るより明らかだった。
それにこう見えて、彼は指導に向いている気質があ
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