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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二話 螢ちゃんはストレスで死ぬんじゃないかと心配になる
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ルヘルムが睨み付ける先、蓮の背後にいつの間にか背中を合わせ佇んでいた司狼が居た。

「お前…!」

「よぅ蓮、今のはちぃーっと危なかったんじゃねえの実際。そのへんオレに感謝の言葉とかないのかよ?」

「………」

蓮は何も言えずあきれ返っている。螢も突然現れた司狼に呆れと困惑を生み出していた。

(今日は厄日なんだろうか…)

半ば真剣に御祓いにでも行こうかと思う螢を無視して話は進む。

「まぁ、何はともあれこれで二対二って訳だ」

「馬鹿司狼!とっとと帰れ!!」

「嫌だね、オレが動くのをお前に止められる覚えはねえよ」

「おいクソガキ、何一人でラリってるんだよ」

「うるせえ、黙れ」

ヴィルヘルムが司狼に文句を言ったその瞬間、司狼は銃をヴィルヘルムに向け三発。問答無用とばかりに撃ち付ける。しかし、

「……おい、進歩のねえガキだな、お前も」

呆れと言うより、鬱陶しいといった風情で撃たれた弾丸を胸から取っ払う。当然だろう聖遺物を持つ相手に銃弾なんて効きはしない。

「一緒に戦ってくれなんて頼んでない。悪いことは言わないから早く逃げろよ!」

「全く、話聞けよ。お前は優等生同士、オレはチンピラ同士……おまえ、女丸め込むの得意だろ?二対二で丁度いいだろ。オレはあいつで、お前はあの嬢ちゃんとだ」

「でも司狼。お前じゃあいつ等には何があっても勝てない。いいからさっさと…」

「もう遅いぜ。今更逃がすとでも思ってんのか、これも前に言ったよなぁ―――」

一呼吸置きヴィルヘルムは呟く。

「俺を攻撃した以上、次なんかねえ」

賽は投げられた。この状況下で二対二の戦いになることは既に決まっている。
蓮と司狼はどちらか一人を二対一で即座に倒すか、一対一で片方が片方を倒すことである。

「フォローなんか期待するなよ」

「そりゃオレの台詞だっつの。喧嘩のケリは、どっちがこれに生き残るかで着けようや」

まるでどちらかが死ぬかのような言い草。それに蓮は顔をしかめる。

「じゃあテメエらよ……揃って死ね」

ヴィルヘルムが何かを投擲する。そして、常人でしかない司狼にそれを避ける手段は無いはずだった。

「舐めすぎだろ、お前」

しかし、司狼はそれを苦もなく反応し回避していた。それどころかヴィルヘルムの米神に銃を突きつけトリガーを引く。
その瞬間、場の空気は凍った。さっきまで場違いな闖入者でしかなかった司狼がこの場で一番異彩を放つものとなる。デザートイーグルの連射を受け、ダメージこそ無いが数歩後ろに下がったヴィルヘルムはサングラスが砕かれその素顔が晒される。そして無表情に呟く。

「レオン、気が変わった。そっちのガキはお前がやれ」

「そう言う事だ、蓮
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