揃う蛇の番
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社務所内に入っていくラウラを見送りながら、まだ微妙に男と女という境界を理解しきれていないのか悩んだのかと頭を抱える。まあ、この調子なら大丈夫だろう。たぶん。
「大丈夫だそうだ。子供の母親と庇っていた子が礼を言いたいそうだ」
「そうか」
社務所の中へと入り、襖をノックする。
「はい」
「オレだ。入っても大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
簪に招かれて入った部屋には簪の他に母親とその膝で眠っている少女とその少女を庇っていた娘がバスタオルを羽織って座っていた。
「そっちは大丈夫だった?」
「それを説明しようと思ってね。とりあえず、あの酔っぱらっていたおばさんは傷害罪に器物破損罪で警察に捕まりました。少し前なら女性権利保護団体の圧力がかかる所ですが、そちらは以前のデュノア社の失態で影響力を減らしていますし、周りの皆さんの協力もありまして動画をアップロードしたりして情報を拡散してもらっています。直接的に手を出されるようなことにはならないでしょうし、狙いは私の方に移ったでしょう」
「大丈夫なのでしょうか?」
「何、これでも腕に自信はありますし、2番目の男性適合者ってことで色々と法に守って貰えるので大丈夫ですよ」
「あなたが!?」
「ええ。ですので、私の心配は無用です。お子さんの方は大丈夫でしょうか?」
「え、ええ。クラリッサさんが見てくれましたが、たぶん問題はないだろうと。一応、病院で検査した方がいいからと車で送ってくださるそうで」
「そうですね。ああ、それと、この子が起きたらこれを」
近くで見ていた金魚すくいの屋台の兄ちゃんが持たせてくれた金魚が入ったビニール袋を渡す。
「これは?」
「この子とは金魚すくいの屋台の前で会っていましてね。嬉しそうにしていたのにあんなことがあってかわいそうだと思っていた所に、あの近くに居た屋台の人が持たせてくれまして。ちょっとだけ悪い夢を見ていたんだと。この子にはそれで十分でしょう」
「ありがとうございます」
「私よりも礼はあの娘に。あの娘が居なかったら、もっと酷いことになっていた。怪我はなかったか?」
「うぇぁ!?だ、大丈夫です!!」
「流行物よりは薄いけど生地が若干厚めだったおかげで割れたガラスは薄皮までしか届かなかったみたい。あとは多少の打撲だけど、2日ほどで治ると思う」
「そうか、よかった。もう少し早く駆けつけられれば良かったのだがな」
「いえ、助けていただいてありがとうございます、先輩」
「うん?何処かで会ったことがあったか?」
おかしいな、記憶には引っかからない。
「えっと、その、駒王で」
「「えっ?」」
「えっ?」
少女を庇った娘も驚いているが、これは
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