揃う蛇の番
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「そう言えば向こうの方で蘭みたいに凝ったお面を着けてる男の人がいたよ。腰にも3つぐらい着けてたけど」
「そうなんだ。珍しい人ね」
「それに女の子二人と来てるみたいなんだけど、一人は眼帯なんて着けてるんだ。けど、それが浴衣の柄に合わせられてて綺麗だし、もう一人の女の子の浴衣も物凄く綺麗だったな」
「ふ〜ん、それって今の流行りとは全く別物だよね」
「そうだけど、今のってほら、派手すぎだし、なんかこれじゃないって感じがね」
「分かる分かる。成金趣味っぽくて可愛いって感じじゃないものね」
「それに高いから、手を出そうとも思わないしね。有名人とかが着て宣伝してるけど、あれって浴衣じゃないよね」
「おかげでお古なんだよね。はぁ〜、幼い感じで嫌だけど、成金趣味よりはマシかな」
「う〜ん、さっきの子達に何処で買ったのか聞いとけば良かったかな」
そんな話をしながら適当にぶらつきながら出店を冷やかす。そんな風に祭りを楽しんでいると怒鳴り声と女の子の泣いている声が聞こえてきた。そっちに向かって走ると酔っぱらっているおばさんが女の子に向かって怒鳴っていた。よく見てみれば、足元が濡れていて金魚が踏み潰されていた。女の子のお母さんが慌ててやってきて酔っ払っているおばさんに謝っているけど罵詈雑言を浴びせている。そして、遂には女の子のお母さんを殴り飛ばして、女の子を蹴り飛ばした。更にはビール瓶を持って振りかぶる。
「流石にそれはやり過ぎでっしょっと!!」
ビール瓶を握るところを見た時点で走り出していた私は倒れている女の子を庇うように覆い被さる。次の瞬間、背中に強い衝撃と瓶が割れる音とビールが私に掛かる。今のはシャレになってないって。この子の命が本気で危なかった。
「何よアンタは!!私の邪魔をして!!」
「うるさいわよ、おばさん!!こんな小さな子供相手に暴力を振るうどころか、命を奪うようなことまでして!!おばさんこそ皆の邪魔よ!!」
「ただの小娘が!!私を誰だと思っているのよ!!私は女性権利保護団体の理事なのよ!!誰のお陰で今の世の中を暮らせてると思ってるのよ!!」
こんな奴らがいるから女性権利保護団体は嫌いなんだ。あんたらが居なくても女性は強いのよ。
「酔っぱらいのおばさんでしょうが!!おばさんなんかの世話になるなんて人として恥ずかしくてまっぴらゴメンよ!!それにおばさんたちが強気になれるのはISがあるからでしょうが!!なら、今の世の中を作ったのは篠ノ之束で、おばさんたちは虎の威を借る狐でしょうが!!この前もデュノア社の件で不祥事を起こしておいて、小さなことかもしれないけどこんな不祥事を起こして、ただ単に弱い立場の者を食い物にして好き勝手に偉そうにしたいだけじゃない!!おばさんたちが言う傲慢な男
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