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インフィニット・ストラトス 黒龍伝説
揃う蛇の番
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に狭い上に酸素の薄い袋に入れられ、挙句の果てに振り回される。そして止めに知識もなく水道水にぶち込まれて死んでいく」

「おい馬鹿止めろ!!なんでそんなことを説明するんだ!!」

「救いとは一体何なんだろうな」

「よりにもよって店の目の前でやるなよ!!子供がドン引きして、店員が睨んでるだろうが」

「業界の方じゃ、弱った奴から押し付けるのが常識でな。あと、この店は不良店だ。ポイの紙が5号しか見当たらん」

「5号?」

「紙の厚さだ。5号が一番薄くて破れやすい。普通は子供や女性用に4号も用意するのが普通だ。それを誤魔化すために普通はポイを背中に隠すんだよ。客によって振り分けているのを気づかれないように。けど、この店、裏に5号のダンボールしか見当たらない。他の店を使ったほうが良いな」

店員の顔が驚愕に染まっていく。

「金魚さん死んじゃうの?」

周りにいた幼い女の子が泣きそうな顔でオレの浴衣を引っ張って問いかけてきた。

「大丈夫だよ。ちゃんと勉強して環境を、お家を作ってあげてお世話をしてあげたら長生きするよ。お父さんかお母さんに調べてもらって、大事に育ててあげるんだよ」

「うん」

女の子が何処かへと行くのを見送るとラウラが訪ねてくる。

「長生きってどれぐらいだ?」

「まずは最初の3日ほどが山場だ。そこをなんとか超えれば5年は余裕だな。あと、水槽のサイズで何故かサイズが変わってくる。サイズ差が大きいと共食いもするからな。2匹ぐらいが手間もかからずに育ててれる」

「結構な数が入っていなかったか?」

「半分生き残ればラッキーだな。一番難しいのが袋から水槽に移すときだ。水道水の場合はカルキ抜きのために中和剤を入れるか、一日ほど汲み置いておく必要がある。あとは水温も同じ温度になるように調整してやる必要があるし、エアサーキュレーターの調整も結構面倒だ。酸素は薄くても濃くても駄目だからな。駄目だと3日で全滅だろうな」

「たかが金魚なのにか」

「弱ってるのが一番の問題なんだよ。普通にペットショップなんかで売ってるのは元気だからそこまで気を使わなくても安定して飼える」

って、金魚談義はもういいや。とりあえず、この店はパスだなパス。







久しぶりに会った皆は元気そうでよかった。まあ、注目は頭に斜めにかけてる白蛇のお面に集まってるけど。物置を掃除している時に見つけた物で、昔っから家においてあったそうだ。曰く有りげな雰囲気から捨てられずに、たまに綺麗にされてたみたいだけど、私はそれを気に入った。何処に惹かれたのはわからないけど、綺麗に誇りと汚れを落として、禿げた塗装を塗り直して頭に着けて来ている。縁起物の白蛇だから疑問には思われても受け入れられている。


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