揃う蛇の番
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がられるからな。雑魚霊が近づけないように威嚇の意味で着けてる。神社とか墓地で写真を取ると必ず写ってるからな。周りの迷惑にならないようにしてる」
「はい?」
「口で説明するより体験するほうが早いな」
3つの面をISに収納するように見せて影の中にしまい込み、自前の携帯で自撮りしてラウラに見せる。
「ほれ、こことかこれがそうだな。動物霊だけど写ってるだろう」
「……早く着けなおせ!!そんな簡単に写すな!!」
「勝手に寄って来るんだよ」
面を着けなおして再び自撮りして見せれば何も写っていない。
「いいか、絶対に外すなよ!!フリじゃないからな!!」
「分かってるって。おっ、珍しいな。飴屋があるぞ」
「飴?珍しくも何ともな、何だあれ!?」
「固まる前の飴をああやってハサミで加工して形を作るんだよ。動物が多いな。まだ残ってるんだな」
「おう、坊主。両手に、花ってわけじゃねえな。親子にも見えねえが、眼鏡の嬢ちゃんと夫婦で雰囲気は親子そのものだな」
「よく言われるよ。弟子はいるのか?」
「いいや、儂の代で終わりだな。まあ、最近は洋菓子なんかでも飴の加工は流行っているみたいでな、完全に廃れることはなかろうよ。最も、オレ達飴職人が手先の器用さじゃ負けることはねえよ」
「そうだな。まだまだ頑張ってくれ。3つ貰おう」
「1500円だ」
「ラウラも簪も好きなのを選びな」
代金を支払いながら鷲の形の飴を取る。ラウラは兎で簪は鯉の飴を取る。
「う〜む、これで500円は安いな。こんな芸術品が廃れていくのか」
「完全に廃れることはないさ。日本の伝統文化のしぶとさは折り紙付きだ。民族性も特異だしな。国内に入ってきた食べ物は全部原型が壊れるぐらいにアレンジしたり、他国じゃ考えられないような耐久度の工業品を職人技で作ったりする国だからな。あと、宗教観が他国じゃ考えられない。仲の悪い宗教の教徒が同じ飯屋で相席して笑っていても違和感がない国だからな」
「それはそれでちょっと怖いな」
「気楽な国だと思えばいいさ。武器と核以外に関しては寛容な国だ」
「そんなものか、おっ、クラリッサ」
「こちらに居ましたか、隊長方」
「何処に行っていたんだ」
「それはもちろん初めての事をして色々と慌てる隊長の姿を記録に残そうと屋台を見回っていました」
「くっ、またゲームセンターの時みたいに笑い者にする気か」
「まあ、あまり楽しめそうなものはありませんでしたけどね。精々が金魚すくいです」
「ああ、金魚すくいか。風情があっていいなんて言われているが、虐待物だからな。狭い空間で水中の酸素が少なくて追い掛け回され続けて弱っている奴からすくい上げられて、今まで以上
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