揃う蛇の番
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るけどさ、織斑先輩にはそれ以上の生物的な嫌悪感があるの。一度冷静に考え直してみてよ。感情なんかは全部捨てて、織斑先輩がやってることを紙に書いてみてよ。気持ち悪い人物像にしかならないから」
「お前、そこまで言うか普通!?」
お兄がドン引きするだろうから今まで言わなかっただけ。
「お兄が聞きたいって言うから話してあげたんでしょ」
「じゃあ、逆にどんな奴が好きなんだよ」
「まあ、最低条件として私をちゃんと見てくれる人。物理的に見るじゃなくて心を私に向けてくれる人だよ。他に誰か好きな人が居ても別にかまわないかな。皆まとめて多少の差はあれど愛してくれれば。あと、他の女の子同士でも仲が良ければね。それからしっかりとした現実を見て、将来も見据えていて頼れる人。私も女の子だし、男の人には甘えたいし頼りたいから。容姿は特にどうでもいいや。いや、チャラいのはパス。そんな感じかな。具体的にこれって人は居ないや」
「ハードルが高いような、低いような、良く分かんねえや」
「蘭ならもっと上を狙ってもいいと思うのに」
「お兄がお兄じゃなくて、今よりちょっと真面目になって、私を一人の女の子としてみてくれてればOKかな」
「ハードル低いな!!ってか、オレってそんなふうに見られてたの!?」
「まあ兄妹だからフラグは絶対建たないけどね。残念でした」
「お前をそんな風に見たことねえわ!!」
「あはは、そんな風に見てたら今頃蹴り潰してるって。さてと、折角ラッキーアイテムが浴衣と草履ならちゃんと用意しようかな」
「なんだ、買いに行くのか?」
「お母さんのお古でいいよ。最近のデザインは趣味じゃないの。多少裾を上げたりする必要はあるだろうけどね。あっ、おじいちゃん、物置のアレ、持っていってもいいかな?」
「アレ?ああ、アレか。構わねえが、大分草臥れてるぞ」
「多少の手入れぐらいなら出来そうだから大丈夫だよ。この前見つけてから気に入ってたんだ。こんな時ぐらいじゃないと着けれないしね」
占いって今まであまり信じてなかったけど、今回だけは信じて良いと思うなんて、謹慎でちょっと疲れちゃったのかな?一番良いのを準備してるなんて、普段の私なら考えられないや。
うむ、簪とラウラの浴衣が目立っているな。自分の作品が評価されるのはやはり良い。
「いや、目立っているのは元士郎の腰のそれだと思うよ」
「からからと良い音が鳴っているが、何故よりにもよってそのチョイスなのだ?」
そう言ってラウラが指を差す先にはオレの浴衣の帯に紐で括り付けられている般若面、泣き崩れている翁面、狐面の3つだ。ちなみに頭には珍しい蛇面を斜めに着けている。
「魔除け。霊感が強い所為でよく群
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