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はたらく魔王様、天使の飼い方(鈴乃やエミリアともスルものの芦屋と漆原にもオッスオッスされる話)
02鈴乃、勇者救援に出動す
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おぞましい程の断末魔の悲鳴を薄い壁一枚向こうで聞かされ、友人とまでは言えないが、天界の命令通り勇者を捕まえて「片翼」を出すよう脅迫して、真奥に助けられるまで争った相手。
親しくなった知人が苦しんで嘔吐までしている悲しい「音」を聞かされ、写本を用意した鈴乃は罪悪感に駆られて隣室を訪ねた。
その装束は浴衣一枚で、もし真奥が訪ねてきて写本と薬の謝礼と言うか、報酬に愛を告白されたりして、体を求められても構わないように「いつでも対戦可能です」な服装で、細い帯ではあるが引っ張られると「あ〜れ〜、ご無体な、お代官様、お許しを〜」までが可能な軽装だった。
下着も付けているので芦屋に見られて困るほどの格好でも無く、普通の寝間着でもあるので、勇者の惨状を聞きかねて?隣室のドアを潜った。
「真奥殿、恵美殿に写本を見せるのは、余りにも酷だったのでは無いだろうか?」
吐くものが無くて苦しそうだったエミリアは、芦屋が用意してやった塩水を腹一杯飲んで、便器に向かって本格的に吐いていた。
尚、芦屋が清掃しているので、漆原の当番でも「便器に手を付いて顔を突っ込んで吐く」「纏めていない髪が便器に付く」ような事態になっても「○○は便器より汚い」の例え通り清潔だったので、現在の勇者の心の惨状に比べれば綺麗なものだった。
「ああごめん、驚かせたな。でもあいつもコチコチの信者でも殉教者でもなくなったから、エンテイスラの連中がどんな奴らなのか教えたくなってな。それでも何も見ない、見えないって言うなら、それはそれであいつの自由だ。もっと汚い殻を作って、狂信者とか清教徒になるんなら、あいつは敵で構わないって思う。今までみたいな馴れ合いも必要無い。「我こそは天使の子、神々の末孫たる神人なり〜」ってやらかすようなら、俺が死なせてやる」
それは恋で愛、恋人の優しさだと鈴乃は思った。
もし愛する人が薄汚い袋小路に突き当たり、壊れた心や自分を騙すために穢らわしく中身も空っぽの大義を振りかざし、己が醜い欲望と本性を隠すため、見栄えが良い白塗りで顔を隠し、歪んだ笑顔で正義を唱えたなら、それは化け物でしか無い。
少し前、自分もこの愛によって救われ、夜の闇の中で一人泣いている所を救い出されたばかりで、醜い化粧も落としてやり直せた所。
それが勇者エミリアにも適用されたのを嫉妬してしまう自分の心を恥じたが、この愛によってエミリアの命と心は救われるのか、命を絶たれて地獄に直行するのかは不明だったので、言葉にするのは避けた。
それに恋敵は今、地獄の入り口で泣き叫んでいる最中である。
「恵美殿がこれ以上苦しまれるようなら、この薬も置いておこう、もう駄目になったら飲ませてやるといい」
それは先ほど話題に出た「天使に与えてはならない毒」で、猫にマタタビ、犬に犬まん、人間に阿片。特に壊
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