暁 〜小説投稿サイト〜
デスゲームの舞台裏
第1話
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 「おう、お前ら、終わったから帰るぞ。」

「うぃーっす。どうします?打ち上げ行きます?」

部下の武井が打ち上げの誘いをしてくる。
だが、今日は一刻も早く帰り、saoがやりたい。

「悪いが、今日はもう帰りたいんだ、また今度な。」

武井もわかっていたかのように素直に引き下がった。

「ですよね、今日は例の奴の発売日ですからね、帰ってやりたいですよね。分かりました。また今度お願いします。」

できる部下とは此奴のことかな。
俺は親指を上に突き出し、応答する。

「おう!またな!」

そう言い残し、俺は自宅に向かった。
俺、武田昇司は、28歳で独身の陸上自衛隊だ。
自宅は横浜にあり、とあるマンションの一室に住んでいる
いつもは車で出勤していたが、今日は事件現場が近かったため電車で向かった。

「ただいまーっと。まぁ誰もいないがな、逆に反応されたら怖いわw」

さて、早朝四時から並んで買ったsaoのパッケージを開け、中のソフトをナーブギアにセットし、頭につけ、床につく。
一か月前にベータを遊び、ドはまりしたゲーム。
あの片手剣使いに会ったゲーム。
そして・・・

あいつとの約束の場所でもある。

「さて、ゲーム開始が大分遅れちまったが、遅れは取らん。半日ぐらいですぐ最前線に追いついて見せるさ。」

そして、お約束のセリフを口にする。

「リンクスタート!」

天井だった視界が、どんどん真っ白になり、現実から遠ざかっていく。
すると、キャラエディットとかいろいろな設定が出てくる。
とりあえずダサくないレベルにひげを生やした20代ぐらいのおっさん顔にしておこう。
白い視界が夕方の空に変わっていく。
しばらくすると一か月ぶりの世界が目の前に広がる。転移門前広場だ。
ここから他の階層へと移っていく。
そして、ここを中心として広がっていく町が、第一層の町、始まりの町だ。
ゲーム販売日なだけあって、まだ一層にはたくさんのプレイヤー達が行きかっている。

「そりゃそうか、始まってまだ半日なのに一層クリアなんてされるわけがないもんな。」

店で買い物をするプレイヤー。
転移門前で待ち合わせをしているプレイヤー。
美男美女のカップル。
五・六人のパーティー。
皆が皆、早速この世界を堪能しようとしている。

「俺もさっさとレベリングしたり、金ためて装備揃えるか。」

そう思い、フィールドの入口へと歩き始めたその時。
くいっくいっ

「ん?」

誰かにズボンを引っ張られるような感覚がした。

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