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提督はBarにいる。
明けちゃったけど正月の騒ぎ・その6
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「そうらしいのぅ。お前さんならそんな事はさせんと思うがの」

「当たり前だ。俺は個人主義者である前に家族思いなんだぜ?」

 提督は既にこの鎮守府に所属する者を『家族』だと捉えているし、骨をこの地に埋める覚悟もしているのだ。面倒事は嫌いだが、家族の平穏を乱す者はその全力を以て叩き潰す。それが提督なりの艦娘達への誠意だった。

「それよりジジィ、軍を辞めて行く宛があんのか?なんならブルネイに世話するぜ?」

 なんと言ってもブルネイは南国のリゾート地だった国である。深海棲艦の脅威はあれど、過ごしやすい環境であるのは間違いない。

「南の島でのんびり……というのも悪くは無いがのぅ。孫娘夫婦の近くで余生を過ごすわい」

 お前さんと気軽に将棋が指せなくなるのはつまらんがの、と言いながら元帥はカラカラと笑ってみせた。然り気無く爆弾発言が飛び出したというのに。

「なに、孫?だってジジィ……お前の嫁さんは」

 提督、金剛、加賀の視線が元帥の隣に腰掛けて椿餅を頬張っていた三笠に注がれる。現役時代の無理が祟ってもう海には出られない身体とはいえ、三笠は艦娘。艦娘に子供を作る能力は無い、というのは新米ですら知っている常識である。幾ら生身の人間がベースとなっている第一世代型の艦娘とはいっても三笠の年齢は良いところ20代。不老となる処置が施されている身体だとしても、かなり若い内に出産して身体を鍛え直さないと難しい話だ。

「ん?……あぁ、元帥の孫娘は実在するよ。ちゃんと血も繋がっている」

 一瞬頭を過った養子の可能性は三笠が真っ向から否定した。ならばどういう事なのか。

「三笠は儂にとっては後添い……要するに後妻じゃよ。娘は前妻との間の子じゃ。言うておらんかったか?」

「初耳だよバカ野郎!……しかし、ジジィがバツイチ子持ちだったとはな」

「失礼な事を言うでないわっ!前妻とは死別しとるんじゃ」

 真っ赤になって反論してくる元帥。そんな様子をおかしそうにクスクス笑いながら眺めている三笠。

「前の奥方の事は私もよく存じているよ。寧ろ元帥よりも世話になった」

「ほぅ?気になるなぁ」

「なら、茶請け代わりにでも軽く話してやるとするかの。あれはそう、艦娘が出てきたばかりの頃じゃったか……」

 昔を懐かしむ様な語り口で、元帥はぽつぽつと語り出した。





 物語のように語るのは得意でないのでな。簡単に語らせて貰おう。深海棲艦共が現れてその被害が報告され始めた頃、儂は海上自衛官から発足されたばかりの海軍へとその籍を移した。その頃には妻の早雪(さゆき)……前妻との間に子供を3人設けておった。早雪は科学者での……艦娘についての研究開発に明け暮れておったのよ。

 ある時、艦娘へと人間
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