第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#44
FAREWELL CAUSATIONW〜Justice To Believe〜
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【1】
“Walkin’ in the rain”
遠隔から降り注ぐ翅刃の群れは、自動的に標的を追跡固定し
絶え間なく周到に愛染の双児を苛んだ。
実力的、総合的には圧倒的に上回っている筈の勢力が、
手負いの獲物一匹を仕留め切れず反撃を蒙る不可解、
さながら無敵の “吸血鬼” が何の能力も持たない人間に
不覚を取る100年前の光景。
波紋戦、スタンドバトルではごく稀に起こり得る展開ではあるが、
今までの戦歴、紅世の徒とフレイムヘイズのみしか相手にしてこなかった
(その殆どが無傷の常勝だった)ティリエルの焦慮は限りに達した。
「一体!? どういうコトですの!?
どうしてあんな半死半生のフレイムヘイズなどに私達が……!
こんな小細工私の焔儀に比べれば、あうッ!」
憤りを吐く暇もなく、旋回して群がった緋剣が前方、頭頂、
背後から急襲し、少女を庇う防御膜をズタボロにする。
本来ならすぐさまに再生する蔓が、
炎熱の齎す焦威によって著しく衰弊する。
“贄殿遮那” 『流 星 刺 指』 等のスッパリ斬られた断ち傷とは違うため、
群れで無理矢理挽き破られた損壊は、万全の再起を執拗に阻害せしめる。
一撃で斃すような業ではない、がコレが蔓ではなく生身の本体に
直撃するようなコトになれば、痕に遺る惨たらしい疵は果たして
彼女の法儀を以てしても再生可能か?
鋭敏なティリエルの知力、洗練された今までの戦功、潔癖な性格、
そのスベテが枷となり脅威の実態を何倍にも肥大してしまう結論となる。
訊くも悍ましき 『スタンド能力』
肉を内側から溶かし生きたまま固め餌にする能力、
或いは血液中の鉄分を操作し、内部から破裂させ臓腑を引き擦り出す能力が如く。
だがそのような廃疾など気にも留めない獅子の王は、
真正面からソノ火炙りの刃と対峙し既に見切った
旋回軌道と同調するように叢がる裂閃を躱し、
『LUUUUUUUGAAAAAAAAA―――――――――――――ッッッッ!!!!』
刃の飛んできた方向、微かに薫る残り香の如き気配を察知し
全方位に射出出来る威力を咆哮に集束、
殲滅に特化した斬吼波を鋼鉄の顎 から嘔き出す。
バックリと抉れパノラマ状に開けた街並み、
しかし手ごたえは無し、その苛立ちが更なる火勢をソラトの裡に注ぎ込む。
『LUGAAAAAAAAAAAOOOOOOOOOOOOOOOOO
OOOOOO――――――――――――――――――ッッッッッッ!!!!!!』
如何に威力の有る邪剣の斬吼も、逃げ去る者には|鈍《なま
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