第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#44
FAREWELL CAUSATIONW〜Justice To Believe〜
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他の異能ならまだしも、
この最大スタンド能力の前には一巡の光陰が如し。
ザザ……ザ……! ズワァッッッッッッッ!!!!!!!
ゆっくりと、本当にゆっくりと、寄せる波打ち際のように、
霧が少女の 「傷痕」 に沁み込んでいった。
痛みはない、感覚もない、在る筈がない、
実体も感触も伴わないのが霧の本質、
そのスタンドの微粒子は細胞の深奥を抜けて更に奥、
遺伝子の螺旋構造にまで達する。
「!? き、傷口から血がッ!」
左肩口、右大腿、更に背中からも、酸で溶解するような音を立てながら
血が霧に取り込まれていく。
然る後。
ガオンッッッッッッ!!!!!!
破滅の感覚が少女の全身を劈いた。
「――――――――――――!!!!!!!!!?????????」
スタンドが制御されていなかった事、
今現在の 「本体」 はティリエルであったコトに感謝すべきだろう。
もしコレが完全に統御された 『正 義』 だったなら、
少女の傷口には円形状の巨大な穴が、
ガッポリと聖痕のように開きそれは決して塞がるコトはない。
相手の傷口、ごく僅かな掠り傷程度だったとしても、
ソコから霧を浸透させ暗孔を穿ち全身を「支配」するのが
『正 義』 の能力。
パワー、スピード、技、術、
何れかが如何に優れていようとこの能力の前には全く意味を成さない、
否、操られれば逆効果、
鍛え上げられた総力スベテが己を滅するために牙を剥く。
正に最大最強、完全無欠のスタンド能力!
そしてその幻像が霧で在るが故に!
「弱点」と呼べるモノは存在しないッ!
「あぁッッ!! ううううううううううぅぅぅぅぅぅッッッッッッッ!!!!!!!」
気力、体力、存在力、それら一切を無視して
生命の螺旋に絡み込んだ霧が、少女の意志を無視して左腕を絞る。
強引に捻られ関節が砕けるかのように引き伸ばされた指先、
傷口が押し広げられ血が繁吹いても尚収まらない拘引、
頭上背後でその意図を繰るは死の精霊。
『正義』 は勝つ、勝った者こそ 『正義』
この矛盾した二律背反は、
コトこのスタンド能力に限り成立し得る――ッ!
←TO BE CONTINUED…
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