第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#44
FAREWELL CAUSATIONW〜Justice To Believe〜
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察」 する選択を取っていれば、
両者は霧に取り込まれ自滅していたかもしれない。
だが攻撃したが故に、強い存在力を露したが故に、
制御不能の超スタンドは「標的」を換える。
(チッ、制御仕切れてなくても自律防御くらいは出来るのか……
でも上手い具合に厄介なアレ(ソラト)まで取り込んでくれたから、
状況は俄然優位に立ったわ……!
このままもっと離れて 『凛駆』 で蜂の巣……ッ!
位置が固定されてるなら射程精度は関係ない……!)
そう、少女の勝利、如何に力の差があろうと重傷を負っていようと、
相手が止まった状態ならスベテは無意味、
遠隔でギリギリまでダメージを削り取った後、
贄殿遮那で双方串刺しにすればそれで終焉。
この時、その確信を疑う者はいなかった、
翅刃を展開するシャナは無論、胸元のアラストール、
対手であるティリエルですらそうだった。
ただ一つの例外は、今までの戦闘定跡を完全に無視して、
ただ当たり前のように背後に立つ魔霧の『正義』
(――ッッ!?)
何の音も、気配も、存在すら虚ろなままで
歴戦の少女の背後を無造作に取った幻像。
しかし当然と云えば当然の話、霧は自然の一部、
悠久に動かざる山の如く、絶え間なく流動する海が如く、
ただ何時でも其処に在る。
「い、いつのまに!?」
「ぬ……ッ!」
取られたというより浮かび上がった、
過程も結果も虚ろがままのスタンド。
ソレもその筈、スタンドは “移動すらしていない”
ソラトもティリエルも未だ霧に囚われたまま、
ただ、己が能力の射程距離に現れただけに過ぎない。
論説の規範を失するが先に詳解しておこう。
エンヤのスタンド、 『正 義』 の射程距離は、
“最大半径数百キロメートル”
そしてその射程圏内を自由に移動出来るのではない、
『ソノスベテがスタンドなのである』
「ハアアアアアァァァァァァッッ!!」
認識するより速く走る炎弾、
展開した翅刃も死霊のスタンドに襲い掛かる、
だが前述した通り全ては無駄、霧とは漂う粒子の集合体、
故にナニを以てしても破壊出来ない。
雲間を照らす陽光のように、水面に映る月影のように。
高熱や切断で一時的には散らせても、またすぐに元へ戻る。
「て、手応えが全然ない! 攻撃が全部透り抜けたッ!
何コレ!? まさか 『スタンド』 !?」
「異能を発する前に 「本体」 を討て! まだ間に合うッ!」
ジョセフ・ジョースターと出逢った以降、
これまでの経験を即した以上そう判断した両者の見解は妥当、
ティリエルはまだ霧に囚われたまま、
必滅の大刀を投擲する手が滑るように黒衣に潜る。
しかし時既に遅し、
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