ガンダムW
1580話
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デルマイユの屋敷が物凄い騒ぎになっているのを見ながら、俺は周辺に誰の気配がないのを確認してから影のゲートへと身体を鎮めていく。
そうして俺が姿を現したのは、MS輸送機が隠れている場所から数km程離れている場所。
出来れば直接MS輸送機の中に影のゲートで転移したかったのだが、魔法についてはまだ五飛やサリィにも話していない以上、そんな真似が出来る筈もない。
結局出来るのは離れた場所から移動するだけだ。
MS輸送機から出る時に乗っていたバイクを空間倉庫から取り出し、そのまま移動を開始する。
周囲は草原で、MS輸送機が隠れている場所までは特に何か邪魔になる物もない。
そうしてバイクを運転していると、やがて林が見えてきた。
MS輸送機をそのまま置いておけば、上空を飛んでいる相手にはすぐに見つかる。
それを防ぐ為、こうして林の近くにMS輸送機は止まっていた。
……まぁ、それでも木を折ったりして上に被せている程度のカモフラージュなので、本当に探すつもりであればあっさりと見つかるだろうが。
MS輸送機の方でも、俺が戻ってきたのを確認したのか、MSが出撃する為のハッチが開く。
そこから中に入った俺を待っていたのは、安堵した様子の整備員達だった。
……まぁ、整備員であって、純粋な戦闘力は決して高くないから当然か。
「何か異変は? ……と聞きたいところだが、この様子を見る限りだとその辺は心配いらないか」
「はい。OZに見つかる事はなかったです」
整備員を代表して、30代半ば程の男がそう告げてくる。
随分と若い整備員だが、この整備員が実質的にシャドウミラーの機体の面倒を見ている整備員達を仕切っている男だ。
まだ年は若い――あくまでもベテランに比べれば、だが――男だったが、それでも整備の腕は折り紙付きの人物だ。
特に大きいのは、連合軍の上層部でもそれなり以上に評価されている人材だという事か。
「機体の方の準備は?」
「いつでも出撃出来ます」
「そうか。なら、恐らくもうすぐ出撃するから、そのつもりでいてくれ」
「はい。……それにしても、トールギスもガンダムも、素晴らしい機体ですね」
格納庫にある2機の機体を見ながら、男がしみじみと呟く。
シャドウミラーに配属されるということは、他の連合軍に比べて危険も大きい。
だが、それを補って余りあるのがシェンロンガンダムとトールギス……特にシェンロンガンダムの存在だ。
機体の整備をやる時に、シェンロンガンダムに触れる事が出来、その性能を調べる事が出来る。
これは、整備員にとっては非常に大きなメリットと言えるだろう。
ガンダムの技術を好きなだけ学べるのだから、シャドウミラーと共に危険な場所へと向かうリスクを上回るメリットがある訳だ。
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