第二十八話 再会した薔薇達その五
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「マリー様をですね」
「助けられますね」
「そのつもりです、では」
「あの国のことをですね」
「情報を常にですね」
「集められますか」
「そうします、味方であろうとも」
現実をだ、セーラは認識して言った。
「知ることは重要ですね」
「全くですね」
「このことはですね」
「知らねば何も出来ない」
「その通りですね」
「はい、ですから情報を集め」
セーラ、そして側近達の国であるその国のこともというのだ。
「そして」
「そのうえで、ですね」
「マリー様をお助けする」
「そうされますか」
「そうします、何かあればすぐに」
まさにというのだ。
「動きます」
「はい、それでは」
「これからもです」
「祖国の情報を常に集めます」
「そのことを続けていきます」
「その様に、では」
ここまで話してだ、マリーはあらためてだった。夫である王のところに赴きそうしてだった。そのうえで国内の政にもあたった。
マリアもだった、国内の政治を観て彼女の夫である王を助けてその決定に携わってからだ。彼女の側近達に言うのだった。
「祖国のことは出来るだけ知りたいわね」
「はい、そうですね」
「お国がどうなるか」
「それは我々に深く関わってきます」
「だからこそですね」
「そうよ、だから情報を集めて」
そしてとだ、奇しくもセーラと同じことを言っていた。もっとも政治のことを知っていればこれは奇妙でも何でもないことだが。
「マリアに何かあれば」
「その時はですね」
「すぐにですね」
「お助けする」
「そうされますか」
「そうするわ、太子は」
マイラの夫である彼はというと。
「油断ならない相手だから」
「そう言われていますね」
「かなりの切れ者だと」
「今では祖国の旧教徒達の盟主だとか」
「その立場にまで至っているとか」
「即位の儀に参列した時に見たわ」
マリアは側近達に真剣な顔で話した、今ここにいる彼等は祖国に帰らず残して王を助けさせたのだ。
「太子は実際にね」
「旧教の盟主にですか」
「既になっておられますか」
「その座に座られ」
「そのうえで」
「大きな力を持っているわ」
国内においてというのだ。
「その後ろには帝国、その帝室であるロートリンゲン家もいるし」
「だからですね」
「相当に手強い方ですね」
「マリー様にとっても」
「かなり」
「旧教と新教の勢力は祖国においては新教の方が上よ」
マリアはこの状況も冷静に見て分析していた。
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