第二十八話 再会した薔薇達その一
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第二十八話 再会した薔薇達
セーラとマリアは王宮の中庭に案内された、するとそこにだ。
マリーがいた、マリーは微笑んで二人の前にいた。そのうえで二人に対して声にも笑みを含ませて言ってきた。
「お久し振りです」
「はい、こちらこそ」
「会いたかったわ」
あの頃の心でだ、二人もマリーに言葉を返した。
「お元気そうですね」
「とても」
「この通り。近頃は風邪もひきません」
「風邪は万病の元といいます」
このことをだ、セーラはマリーに言った。
「ですから」
「まずはですね」
「はい、風邪にです」
くれぐれもというのだった。
「ご注意を」
「その様にしています」
「常に身を温かくすることね」
マリアもマリーに言った。
「そして滋養にも気をつけて」
「そうして最初から風邪にならない様にする」
「それがいいわ、それでは今から」
「席を用意しています」
薔薇の場所の前にだった、既に席があった。三人が座る為の椅子も既に用意されている。
「そして後で」
「葡萄酒ですね」
「それもまた」
「持って来る様に言っています」
宮中の者達にというのだ。
「ですから」
「幼い日々の様に」
「三人で」
「お話をしましょう」
こう二人に言ってだ、マリーは二人を席に導いてだった。三人で座りそのうえで話をはじめた。すると程なくしてだった。
葡萄酒も持って来られた、マリアはその葡萄酒を見て微笑んで言った。
「これも同じね」
「はい、三色の薔薇の花びらを入れています」
既にというのだ。
「それも」
「そうね、私達のお酒はね」
「これが欠かせません」
「薔薇の花びら達が」
「ですから用意してもらいました」
「それを飲み」
「楽しみましょう」
さらにというのだ、こう話してだった。
三人共その葡萄酒を飲んだ、そしてだった。
最初にセーラがだ、微笑んで言った。
「実は嫁ぎ先でもです」
「あちらの国でもですか」
「飲んでいます」
そうしているとだ、マリーに話した。
「楽しんで」
「私もよ」
マリアも言ってきた。
「そうして飲んでいるわ」
「貴女もですか」
「ええ、それでもね」
「こうして三人でここで飲みますと」
セーラも言う。
「別格です」
「特別の味がするわ」
こうマリーに言うのだった、二人で。
「本当に」
「幾らでも飲めるわ」
「そうですね、私もです」
マリーもとだ、二人に述べた。
「貴女達と一緒に飲みますと」
「いつもと違うと」
「より美味しいというのね」
「はい」
その通りという返事だった。
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