光の剣
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第三者side
「やはりダメだったようだな」
村の家の中で静かに目を閉じていたエーメが小さく呟く。ローレとカラスはそれがどういうことなのかわからず互いの顔を見合わせていた。
「何がダメだったんだ?」
「さっきの追跡さ」
男の問いに平然と答えた彼女はゆっくりと立ち上がると出口の方へと向かっていく。そして扉を開くと、ある場所を二人に見るように指さす。
「いるだろ、あそこに」
「「??」」
何がいるのか、皆目検討もつかない様子の仲間だったが、女性の指さす先にいる人物たちを見てようやくその意味を理解する。
「あの短時間で全員倒したのか!?」
思わず驚愕して声が大きくなったカラス。エーメの指の先にいたのはつい先ほど山賊たちに追い掛けられていた小さな女の子たちだったのだ。
「お前も一度は倒されたんだから。あの程度の連中じゃやられても仕方ないさ」
そう語ったポニーテールの女性は右手に魔力を纏わせていくと、その手に一本の剣が現れる。
「だが、私たちが相手ではどうなるかな?」
自信ありげな表情を浮かべるエーメ。その周囲にいる者たちも、真剣な表情へと変わっていき、いつでも戦う用意ができていた。
シリルside
「大分削れたみたいだね」
「二桁はいないみたいだよ」
ボコボコにした山賊たちを縄で縛った後、村奪還のために集結した俺たち。その気配を感じ取ったのか、家の中から次々に人が飛び出してくる。
「シリルは責任取って一度倒した奴を担当してね!!」
「わ・・・わかった」
相当根に持っているらしくシェリアが何度も何度も例の件を掘り返してくる。この子怖いなぁ、レオンみたいな抑止力がほしいよ。
「雑魚は私たちがなんとかするわ」
「だから幹部たちはよろしくね〜」
「すぐ倒してお手伝いに行きますので!!」
主要人物は三人。その三人は俺とウェンディ、そしてシェリアで担当し、わずかに残っている雑兵どもはシャルルたちが相手してくれる。下っ端は一対二って形になっちゃうけど、さっきの経験上強いのはいないみたいだし、シャルルたちでも十分対処できるはずだろう。
「よし!!行くよ!!」
「「「「「オォッ!!」」」」」
最年長者を先頭に村へと駆け降りていく。それを見た敵は、主要人物と思われる三人の前に村に残っていた兵隊たちが進路を遮るように立ちはだかる。
「俺たちが相手だ!!」
「こんなガキども、すぐに捻り潰してやる」
威勢だけは一丁前の男たち。でも、とても強いような風貌には見えない。オーラも全然ないし、どこにでもいそうな若い兄ちゃんみたいな連中だ。
「あんたたちの相手は」
「僕たちだよ〜
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