提督はBarにいる×中川翔平編
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キー『白札』を製造・出荷した。これが後に世界の5大ウィスキーと称されるようになるジャパニーズ・ウィスキーの歴史の始まりである。……しかし所長であった竹鶴政孝は契約更新をせずに寿屋を退社、北海道に大日本果汁(後のニッカウヰスキー)を興している。この因縁が無ければ、サントリーとニッカ、日本のウィスキー二大巨頭は生まれなかったかもしれない。
時は移ろい1984年、サントリーは蒸留所の名前をそのまま冠した『山崎』を発売。利休も愛したという名水をふんだんに使い、スコッチ・ウィスキーの伝統的な造り方を守りつつ日本独自の個性を持ったシングルモルトウィスキーを造ろうと、実に5種類もの熟成樽を使い分け、それらをブレンダーの匠の技で調合して作られる複雑な香りの複合体は、正に芸術品。現行品としては山崎(ノンエイジ)、山崎12年、山崎18年、山崎25年が販売されている。
※ウィスキーの年数はヴァッティング(ブレンド)に使われている原酒の一番若い熟成年数を示しています
ウチの店には現在販売中の4種類、全てを取り揃えてある。どの『山崎』を選ぶか、そしてどの飲み方を選ぶかによってオススメの飲み方は変化する。それによって肴のオススメも変化するので難しい。
「う〜ん……じゃあ俺はロックで」
「私は水割りを」
「じゃあストレートで!」
中川少佐がロック、森川大尉が水割り、そして吹雪がストレートか。じゃあついでにオススメの造り方を解説しながら、オススメの肴も紹介していこう。
@オン・ザ・ロックの場合
オン・ザ・ロックの強味は時間の経過と共に変化する香りと味だ。ロックアイスでウィスキーが徐々に冷やされていく過程で香りが変化していくのを楽しむ飲み方がいい。長い時間を掛けてチビチビと飲むのに適した飲み方だ。特にも『山崎』という銘柄はその複雑に絡み合った香りが特徴なので、飲み始めはその鮮やかな香り、時間経過によって氷が溶けてきたら円やかな口当たりと、強くなってくる穀物や樽の香り
に気付くハズ。一通り楽しんだら加水して更なる味と香りの変化を楽しむのも良いだろう。薄まるのを良しとしないのなら、ペットボトルキャップ一杯分位の加水でも十分に香りを引き立ててくれる。
合わせる肴としてはシンプルにナッツ類やチーズ等が良いだろう。
「ハイよ、『山崎12年』のロックと『揚げ銀杏』だ」
銀杏の殻と薄皮を剥き、180℃の油で素揚げ。カラリと揚がった所に岩塩をまぶしただけのシンプルなツマミだ。カリカリサクサクという歯ごたえと、銀杏独特の香りと苦味が『山崎』の香りをより感じさせてくれる。
「ん、美味っ!」
中川少佐が目を見開いて驚いている。因にだがロックアイスは家で作るよりも市販されている物を使おう。その方が氷の純度が高
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