暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる・外伝
大泥棒が鎮守府にやって来る〜会食編・その2〜
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
酎のような辛味と、中盤以降からやって来る米の旨味だ。しかしその香りは味に反して甘く、剣菱独特のミスマッチのような危うさを感じるバランスこそ、この酒の特徴だと俺は思う。

 そんな剣菱を江戸切子のグラスに注ぎ、五右衛門に差し出す。受け取った五右衛門は軽く香りを確かめると、一口含んだ。舌の上で転がして、味を確かめているようだ。ゆっくりと飲み込んで、ルイベを一切れ摘まみ上げる。普通の鮭の刺身と違い、固さの残るその一切れを口に放り込む。ショリ、ショリッという凍っているからこその音を楽しむように、一口、二口と咀嚼。その間に口内で溶け始めた鮭の身から、脂と旨味が広がる。そこにすかさず剣菱を一口。その脂の甘味と旨味が、剣菱の味を際立たせる。

「…………うむ」

 たったその一言だったが、その口角が僅かに吊り上がっているので笑っているのだと解る。どうやらご満足頂けたようだ。


 お次は加賀の注文だ。……注文は温かい物を、だったな。ならば少し変化球だが中華の『かに玉』を出してやろう。


《ふわとろ!お酒に合わせるかに玉》※分量4人前

・卵:4個

・かにのほぐし身:80g

・生椎茸:4個

・長ネギ:1/4本

・にんにく(みじん切り):小さじ1

・生姜(みじん切り):小さじ1

・キクラゲ:10g

・枝豆(剥き身):20g

・牛乳:大さじ2

・塩:小さじ1/3

・胡椒:少々

・ごま油:大さじ3と1/2

(醤油あんかけ)

・醤油:大さじ1と1/2

・酢:大さじ1と1/2

・砂糖:大さじ1と1/2

・湯:200cc

・鶏ガラスープの素:小さじ1

・片栗粉:大さじ1

・水:大さじ1



 まずは具材の下拵え。ネギは粗みじん切り、椎茸は軸を落として1cm角の角切り。キクラゲは乾燥物なら水で戻してから石附を落として千切りに。卵を割って牛乳、塩、胡椒を加えて溶いておく。中華鍋(またはフライパン)にごま油大さじ1/2を引き、にんにくと生姜を炒める。香りが出てきたら椎茸、キクラゲ、蟹の身を加えて更に炒める。しっかりと炒まったら溶き卵に炒めた具材と枝豆、ネギを加える。

 さぁ、こっからがふわとろかに玉を作るポイントだ。重要なのは『火加減』。これに尽きる。中華鍋にごま油大さじ3を中火にかけ、少し煙が出るくらいまでチリチリに熱する。そこに卵を一気に流し込む。こうすると熱々の油に流し込まれた事により、一気に卵が熱されて瞬間的にフワッと膨らむのだ。

 卵を流し込んだらここからはスピード勝負。端の固まった部分を中心に巻き込むように大きく全体をかき混ぜながら、鍋をゆする。表面が完全に固まりきらず、半熟の状態で皿に盛り付け。
 

 続い
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ