第十幕その十一
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「あらゆる学問がね」
「だから科学もだね」
「完成されていないね」
「というか完成されることはない」
「そうしたものだね」
「そうだよ、人間は不完全だから」
このことが念頭にある先生です。
「その不完全な人間がね」
「学問を完成させようとしても」
「出来ないんだね」
「学問は完成することがない」
「最後まで至ることはないんだね」
「そうだよ、科学もしかりだよ」
完全なものでもないですし完成されているものでもないというのです。その科学で神様の存在を実証しようとしてもというのです。
「神様の存在は実証出来ないよ、けれどね」
「この世の奇跡だね」
「どんな学問でも実証出来ない」
「そうした奇跡をもたらすことはだね」
「神様だからこそ出来ること」
「そうしたものもまた世の中に多いから」
「神様はいるんだね」
動物達も言います。
「そういうことなんだね」
「つまりは」
「そう考えているよ、僕はね」
先生は温和なお顔のままお話します。
「まさにね」
「奇跡こそが」
「神様がもたらしてくれている」
「そういうものなんだね」
「そうだよ、本当にね」
実際にというのです。
「神様は奇跡、ご加護をもたらせてくれている」
「まさにそのことこそが」
「奇跡であって」
「神様がいることの証」
「そうなんだね」
「そう考えているよ、僕は」
先生のお言葉は続きます。
「だから今も神学をね」
「学んでいるね」
「そうしているんだね」
「先生は神学者でもあって」
「そちらの博士号も持っているけれど」
「うん、そうしているんだ」
神学をというのです。
「学んでいるよ」
「聖書も読んでるし」
「最近は仏教の勉強もしてるね」
「日本の神道とか」
「あと天理教も」
「他の宗教も学んで」
勿論偏見なしにです。
「そうしていくと面白いよ、僕はキリスト教徒でも」
「それでもだよね」
「他の宗教も認めていてね」
「学んでるね」
「しっかりと」
「そうしているよ、仏教も神道も素晴らしいね、神社やお寺に行くことも」
教会だけでなくです。
「そして天理教の教会もね」
「この前行ってたね」
「八条町の教会に」
「それで教会長さんともお話をしていたね」
「お話を聞いて」
「そうしていたね」
「そう、様々な宗教のお話を聞くことも」
このこともというのです。
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