842部分:第百三十話 聖戦が終わりその七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
第百三十話 聖戦が終わりその七
「必ず果たせる」
「といいますと」
「また起こる戦いもですか」
「そうだ、勝てる」
まさにそうだというのである。
「私がいなくともだ」
「いえ、教皇その御言葉は」
「不吉なのでは」
「いや、不吉ではない」
シオンはこれは否定した。
「どちらにしても御前達の時代になっているのだ」
「我々のですか」
「だからですか」
「そうだ、むしろだ」
そしてまた言うのだった。
「やがて御前達のどちらかを教皇にする」
「我々のどちらかをですか」
「教皇の」
「私の次のだ」
そうすると言ってであった。そうしてだ。
「そのうえで聖戦を戦ってもらおう」
「では聖戦はまだあると」
「そう仰るのですか」
「おそらく。ハーデスも何時蘇るかわからない」
最初に名前を出したのは彼であった。聖闘士達にとって宿敵と言っていい。冥皇ハーデスとその彼に仕える者達のことであった。
「そのうえポセイドンもいるのだ」
「彼等ですか」
「彼等が何時蘇るかわからないのですね」
「だからだ。これで終わりとは思わないことだ」
あらためてこう二人に告げるのであった。
「わかったな」
「その御言葉肝に命じます」
「何としても」
彼等は実際にだ。シオンのその言葉を胸に刻み込んだ。
そのうえでだ。二人は問うた。
「それではその時に備えて」
「今は、ですね」
「己を鍛えておくことだ」
今はそうしろというのだった。
「わかったな」
「はい、ではあらたな聖戦においても」
「この地上を護ります」
「やがてアテナも降臨される」
シオンはこのことも見極めていた。
「アテナも御守りするようにな」
「わかっています」
「それもまた」
「黄金聖闘士とは何か」
その話にもなった。
「それはこの地上を、人を護る者達だ」
「アテナだけでなく」
「地上と人もですね」
「アテナは地上と人を護られている」
アテナはその為の戦いを司る神なのだ。それは神話の時代より普遍のことだ。シオンはそのことをあえて言ってみせたのである。
「だからこそだ」
「では」
「我々もまた」
「頼んだぞ」
二人に対して告げる。
「これからも」
こう話してだ。二人を仲間達の宴の場に行かせた。そして彼は一人になり鏡の間に入った。そこの鏡の一つに童虎がいた。
彼は静かにだ。シオンに対して言ってきた。
「これが御主の最後の仕事かのう」
「そうかも知れん」
シオンもそのことは否定しなかった。
「だが。それでもいい」
「よいのじゃな」
「そうだ、いい」
また言うのであった。
「私は己のやるべきことを果たす。それだけだ」
「左様か」
「若し私が今倒れてもだ」
シオンはそう
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ