第67話 微妙
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速で印を結ぶと婚后の足元に風を起こしてバランスを崩させる。
「いたた??!」
尻餅をついてお尻を摩る婚后の目の前にいる幾何学模様の眼をした人物を見て軽く身震いした。
い、今わたくしの力が......
サソリは頭をガシガシと掻くと外套を翻して御坂達を見据えた。
「余計な体力を使わすなよ......呼んだらさっさと来い」
「さっさと来いって、待ったの5分くらいでしょ」
「オレは人を待つのも待たせるのも嫌いだ」
サソリの性格として極端なせっかちで時間に対してはかなり厳しい。
「分かりましたわ!サソリさーん!」
「!?」
キラリンと獲物を捕らえるような目付きで湾内がサソリに向かって駆け出して、タックルをかますように抱き着いた。
「お、お前!?」
「サソリさん!お久しぶりですわ!わたくし寂しくて寂しくて」
湾内が甘えるようにサソリの胸元に頬を擦って熱っぽい目をしながら猫撫で声を出す。
「離れなさいですの!公衆の面前で!」
と言いながらも白井もサソリの腕に自分の腕を絡めて甘えるように見上げた。
「は、ハレンチですわ!若い男女が......だ、だだだだだ抱き合うなんて」
尻餅を付いていた婚后が顏を真っ赤にしながらビシッと指さしをした。
「婚后さん。いつもの事ですので」
「い、いつもの事!?こ、こんなのが毎日ですの!?信じられませんわ」
毎日ではない。
「くっ付くなお前らぁ!!」
「わーい。パパ人気者だ。フウエイもー」
「あ、ちょっと」
御坂に抱っこされていたフウエイも御坂の腕から脱出するとサソリの顏に抱き着いた。
「!?」
バランスを崩したサソリが受け身を全く取れない状態でレンガ状の地面に頭をぶつけた。
「痛ってぇーな!」
「えへへー」
「サソリさん」
正門前でのラブコメチックな光景と騒ぎに続々と人が集まり始めてヒソヒソと何やら話を始めていた。
なになに?
男性の方が居ますわね?
彼処にいらっしゃるのはかの有名なレールガンの御坂さんではありませんか?
「げっ!ここじゃ流石にマズイわね。場所を変えない」
「そうですわね......婚后さんも如何ですか?」
「わ、わたくしも?」
泡浮が婚后の手を掴むと起き上がったサソリ達を御坂が後ろから押してその場から逃げるように走り出した。
その光景を金髪ロングの女性が肩掛けバッグからリモコンを取り出しながら星のような瞳をしながら愉快そうに見つめていた。
******
「はあはあ......で、結局何しにきたんだっけアンタ?」
御坂達は自販機が設営された常盤台の中庭のベンチで腰を下ろしながら呼吸を整える。
泡浮と婚后は珍しそうに辺りを見渡しているフウエイに危険が無いように見守る役をしている。
「あ、チョ
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