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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第67話 微妙
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「超大丈夫ですか?」
とあるビルの一室に慌てて戻って来た絹旗は買い物袋片手にリビングに滑り込んだ。
みゃー
「ごろごろ〜。おかえり」
保護した黒猫と一緒に伸びをする滝壺がスフィンクスポーズで出迎えている。

リビングにはテーブルに脚を乗せて、あからさまに不機嫌そうにしている麦野とぬいぐるみに仕掛けを施しているフレンダが座っていた。
「あー、イライラするわね。何なのアイツ?」
「むぎのんの能力が吸収されたってどんだけって訳よ!」
テーブルの上には炭酸ジュースのペットボトルが置かれており、麦野達はジュースを飲みながら各々適した格好をしているようだ。

話題に上がっているのは紫色に不気味に輝く波紋状の瞳を有した坊主頭の男だった。
背格好から換算すると中学生〜高校生くらいだろう。
耳にピアスをして全身にオレンジ色の鎧を着込んでいる姿は西洋の騎士に近い。

「な、何はともあれ超無事で良かったです」
テーブルの上に買ってきたスナック菓子やお弁当を並べていく。
フンフンと保護した黒猫が絹旗の足を嗅いでいる。
「超分かってますよ」
袋の中から猫用の缶詰を取り出すと台所から持ってきた小皿によそり、床に置いた。
みゃーあうあう
喉と鳴き声を揺らしながら一生懸命に食べ始める姿に少しだけ癒されるアイテムのメンバー。
「可愛い」
「結局、猫って完成形な訳よね」
「ま、まあ......旦那の頼みだからね。仕方なく」

御坂美琴のクローン体であるミサカが保護した小さな命。
サソリは麦野達に世話を頼んでいたのを思い出す。

何故か黒猫は旦那の頭に乗ってくつろぐのが好きだったわね

猫のように気まぐれな性格が相通ずるのか良く懐いていた。
ケプッ
と黒猫は缶詰を平らげると満足したようにマンションの窓辺に移動して日向ぼっこを始める。
身体を横にして丸くなりゴロゴロと喉を鳴らしてうつらうつらしていた。

「それで......敵は能力を超吸収したんですか?」
「そうなのよ。爆弾まで吸収するなんて聞いてない訳だし」
「じゃあ今回はサソリの旦那にはそう超報告になりますか?」
「それも良いけどね......依頼が達成出来ないと報酬が貰えないしね」
麦野がガリガリと氷を口に入れながら乱暴に咀嚼した。
「あれ?今回の報酬って超高かったでしたっけ?」
「いや......旦那とのデート権がねぇ」
残念そうに簡略化した猫目で麦野が陰を帯びながらソファに横になった。

「で、結局超どうするんですか?」
「一応、サソリの旦那には今回の報告って事で伝えた方が良いと思うわよ。ねぇ麦野」
フレンダがソファで横になっている麦野の髪を弄りだした。
「うざ......少し横になるわ」

窓辺で黒猫と一緒に寝転んでいる滝壺は気の抜けた
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