宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 5
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要員に退かれたのが分かる。
「上官に騙されたからな。あの詐欺さえなければ」
「地球帰還後の酒宴の酒の量が増えた?」
「もちろん」
更に退かれたな。
「独身を貫くつもりだからな。借金をしない程度に好き勝手やって死んでいくのさ。見習うなよ」
「誰も見習いませんよ。というより、そんな生き方で良いんですか?」
岬君がそんな事を言うが
「おっさんだからな。そんな生き方で良いんだよ。どうせ当分軍からは逃げられないからな。不良軍人だから訓練学校の教官の話も来ないだろうし、現役で艦長を続けたままガミラスと戦いつつ、ひよっこ共を鍛えて、ある程度防衛軍の再建が終わるまでは馬車馬のごとく働かされるだろうな。定年退役なんかは絶対したくないけど、そういう未来すら見えてるぜ。まあ、軍にいれば衣食住は保証されてるからな。資産も貯金もなくてもどうとでもなる」
「そんなことまで考えてたんですか」
岬君が驚いているが、驚くようなことか?
「皆は考えたことはないのか?直近5年程度でいいや、想像して発表な」
「「「ええええっ!?」」」
「小学生の時にあっただろう、将来の自分を想像してみろって」
「ありましたね、そんなの」
「ちなみに小学生の頃の瀬川君の夢は?」
「そうですね、小学生の頃はまだ将来に希望を持ってましたからね。平穏な家庭を持てればよかったのですが」
「平穏どころか戦乱だからな。ちなみにオレは将来の夢を叶えてスタントパイロットをやってたな。ウチの家系はよく名スタントマンが生まれる家系だから。爺さんがそうだったからそれに憧れてな」
何もかもが懐かしいな。それからガキの頃の懐かしい思い出に浸りながらある程度場が盛り上がったところで軽く締める。
「オレたちの次の世代にもこんな馬鹿話が出来るようにしないとな」
「そうですね。まあ、副長の次の世代は出来るかどうかは知りませんけど」
瀬川君ならそう返して場の雰囲気を保つと分かっていたからこそ我慢できたが、急に言われたら場の雰囲気を壊していただろうな。オレ達の次の世代は生まれないことを理解し合っているから。
「コンピュータの誤作動で着艦事故か」
「クレーンに固定された状態からなんとか着艦してくれました。もう少しで航空隊2名と100式空挺を失うところでした。原因の調査のためにアナライザーのログを確認します。副長もご覧になられますか?」
「そうだな、確認させてもらおう。艦長、解析室に向かいます」
「うむ」
真田君と共に解析室に向かう。
「そう言えば、例のアレ、証明できたか?」
「ええ、ばっちりです。地球に帰還してこのことを学会で発表すれば歴史に名が残るでしょう」
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