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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百四十六話 キレるほどに恋してる
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スは男女の仲が凄く悪い。先生も頭を痛めてる。でも男子の所為じゃない、あいつらのダンスが下手な所為だ。それとキレなくていい、キレても全然可愛くないから。

歌はとっても上手だった。ビッテンフェルト提督が上手いのは分かっていたけど他の皆も上手なんだ。特にロイエンタール提督、左右の目の色が違うハンサムな提督は美声だった。母さんなんて“顔も良いけど声も素敵ね”ってうっとりしていた。頼むから息子の前でそんな顔しないでくれる、母さん。

提督達は歌を歌ったけどダンスはしなかった。直立不動で歌を歌ったんだけど周りは“踊れ”、“ダンスはどうした”って囃し立てた。皇帝も同じ事を言っていたからヴァーチャル・ガールの事を知っていたみたいだ。僕もTVの前で同じ事を言った。“踊れ”、“ダンスはどうした”って。

このまま踊らないで終わりだろうなって思った。でも艦隊司令官がヴァーチャル・ガールを歌うだけでも凄い事だ。しかも全銀河にLIVEで流れるなんて……。でも僕は甘かった、提督達は皆名将なんだ。勝つためには敵の意表を突かなくてはならない……。

一番が終わって二番が始まるまでの間奏に入った時だった。提督達がいきなり踊りだしたんだ、ヴァーチャル・ガールみたいに激しく踊りだした。一番年長のメルカッツ副司令長官は今年六十になるらしいけど、彼も一緒に踊りだした。提督達は皆髪を振り乱して踊りだしたんだ。

一瞬唖然としたけど次の瞬間には皆が笑い出した。僕も母さんも解説者も披露宴の出席者も皆笑い出した、大爆笑だった。間奏が終わり二番が始まると提督達も踊るのを止め髪型を整えて歌いだした。そこでまた大笑いだった。

二番が終わった時には皆が期待した、また踊りだすだろうって。そして提督達はまた踊りだした。またまた大爆笑だ、そして最後のポーズも完璧だった。右手を突き出して銃を撃つようなポーズを取ったんだ。右手の先にはヴァレンシュタイン元帥が居た、元帥は胸を抑えるしぐさでそれに応えた。そこでまた大歓声だった。

他にも余興は有ったけどこれが一番だった。解説者も何度も“さっきのヴァーチャル・ガールは凄かったですねぇ”って言ってた。披露宴が終わった後は観劇だったけど、あれは論評に値しない。帝国側ばかり格好良く書かれていて詰まらない。確かにドーソンとかフォークとかどうしようもない連中だけど、同盟にだってヤン提督、ビュコック提督、ウランフ提督、ボロディン提督みたいに名将は居るんだ、……帝国に比べて少ないけど……。

結婚式が終わってからヴァーチャル・ガールは以前より人気が出た。そして“キレるほどに恋してる”も売上が伸びてる。でもそれ以上に銀河帝国の提督達の人気が凄い。あの結婚式の余興だけどあれがもの凄い人気で毎日何処かで流れてる。

提督達のプロマイド写真も売れてる。一番人気は
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