暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百四十六話 キレるほどに恋してる
[2/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
婚をするのが難しいらしい。だから二人の結婚を認める事で他の貴族にも平民との結婚をしやすくしたんだとか。そして軍の艦隊司令官達には若くて独身の男性が多いから人気急上昇なんだそうだ。何処かの伯爵令嬢も艦隊司令官と仲が良いらしい。
昨日のTVで今日の結婚式の意義ってテーマで討論会をしていた。その中で言っていたけど帝国は確実に変わっているそうだ。平民の権利が拡大されていて今回の結婚はそれを全宇宙に知らせるために行われるのだとか。そのために結婚式も宮中で行われるんだと言っていた。
僕には難しい事はよく分からない。でも宮中で、黒真珠の間で結婚式が行われるのは凄いと思う。今まで新無憂宮の中が映された事なんて一度もない。それが今回全宇宙に放送されるんだ、それも黒真珠の間……。
黒真珠の間はヴァレンシュタイン元帥が元帥杖を授与された場所だし、宇宙暦七百九十六年十月十五日に発布された勅令が宣言された場所でもある。帝国の公式行事がいくつも行われた歴史的な場所なんだ。その場所で結婚式、元帥の結婚式はどんな結婚式になるのか、心臓がドキドキしてる。
母さんが僕を呼ぶ声が聞こえる、どうやら放送が始まるらしい。さあ行かなくちゃ。
宇宙暦 798年 3月 22日 ハイネセン ある少年の日記
ここ一週間、僕のクラスは結婚式の話で盛り上がっている。学校の先生だって結婚式翌日の最初の言葉は“昨日の結婚式は凄かったなあ”だった。クラスの皆も“凄かった!”と口々に言った。僕も同感だ、あの結婚式は本当に凄かった。
黒真珠の間は大きな部屋で正面に神父さんが居て宣誓用の台が有った。そして台から入口まで赤い絨毯が敷いてある。解説者(この人、フェザーン人だった)が言っていたけど、その絨毯は二百名の職人が二十五年かけて織り込んだものらしい。僕ならとてもその絨毯を踏むことなんて出来ない。母さんも踏んだらばちが当たりそうだって笑ってた。
絨毯の両脇には式の参列者が居た。軍人は大将以上の階級を持つもの、文官は各省の尚書、次官、それに爵位を持つ貴族……。それ以外は新郎新婦のごく親しい人物が呼ばれたらしいけど参列者の殆どが帝国の重要人物だった。
解説者は帝国貴族が平民である元帥の結婚式に参列している、内乱後の帝国には対立が無くなったと言っていた。フン、同盟だってクーデターを未然に防いだんだ、こっちだって対立は無くなったさ。
解説者の説明が三十分ぐらいたってからかな、新婦が父親であるミュッケンベルガー元帥と黒真珠の間に入ってきた。二人は腕を組んでゆっくりと入ってくる。ミュッケンベルガー元帥は軍服じゃなかった、黒のフォーマルを身に着けていたけどもの凄く威厳に満ち溢れていた。
初めて見たけど恰好良かった、軍服を着てないのに歴戦の名将、そんな雰
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ