第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜代償〜
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ほどわかります」
「翼人だもんね」
「でも、怒ったくらいであんな簡単にあれほどの殺気や敵意を振り撒けるんですか?」
確かにそうだ。
人は怒れば敵意や殺気を振り撒く。
しかし蒔風のそれは心底憎しみを携えた敵のそれと大差なかった。
そんなことが簡単に出来るのだろうか?
そんなに簡単に、あの人は敵になるのか?
「なるわ」
それに対し、シャマルが一言、断言した。
その言葉にスバルとティアナがビクリと震える。
そんなに断言出来るものなのか、と
「と、言っても、シグナムが言ってたことなんだけどね?シグナムが昔、舜君と戦った時、感じたらしいの」
「な、何を・・・ですか?」
スバルがゴクリと固唾を呑んで聞く。
「すべてを、そして何も」
それに対する答えはそれだった。
全く正反対の答えに困惑する二人に、シャマルが説明する。
「シグナムと舜君が戦った時は・・・・・ある敵の不意打ちでフェイトちゃんが倒れて、シグナムとの一騎打ちを邪魔したの。それに対して舜君は怒ったんだけど、その敵は逃げちゃって、代わりにシグナムが舜君の相手をしたんだけど・・・・」
「それで・・・・・・どうなったんですか?」
「惨敗よ。私たちヴォルケンリッターの歴史でも、シグナムがあんなにも敗北したのは初めてってくらいに。でも重要なのはそこじゃなくてね、シグナムが感じたこと。それが」
「全てと、何も?」
スバルにコクリと頷くシャマル。
なおも話は続く。
「その時、シグナムは舜君の目からあらゆる感情を感じ取れたって言ってた。きっと、それは本当だし、舜君はそういう人なんでしょうね」
そう、それは正義だった。
そう、それは悪意だった。
そう、それは義憤だった。
そう、それは愉悦だった 。
独裁、慈善、復讐、義理、偽善、偽悪、救済、破滅、情、志、歪み、狂気、理性、本能、衝動、歓喜、慟哭、哀愁、優越、劣等、善悪善悪・・・・・・・・・・
それらすべてを内包し、故にどれにも属さない。
願いを受けるということは、すべてを理解し、受け止めること。
だから彼には悪もあり善もあり、理性もあり狂気もある。
シグナムは十年前、蒔風に対してそういったものを漠然とを感じていた。
「えっと・・・・それで、舜さんは敵になるかっていうのは・・・・・・」
「ええ。つまり彼は、簡単な理由一つあれば私たちの敵にもなる、ってことよ。だって、善悪とかそういうのを超えてるんですもの」
ティアナはその言葉に猛烈に不安になる。
そ
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