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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第59話 冤罪事件・解決
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カはギンに渡されたつくねの盗撮写真を放り投げた。

「だからわたしつくねを待ってるの! こんな写真よりわたしはつくねのことを信じたいから!!」
「…………」

 吹き飛ばされたギンは、何事も無かったかの様に立ち上がると無言でゆっくりとモカに近付いていく。それなりにダメージがある、と思えたのだが、全くの無傷だった。

「ははは……、マジか……、ほんまモカさん健気やなぁ? ほんま、男2人もおるとは思えんのやけどなぁ?」

 首を軽く振り、いつもの調子者な目……ではなく、少し吊り上がった目を、モカに向けた。

「……つくね君のことはそんなに信じてるんやなぁ? の割には、モカさんは二股か。そんな事する様な子とは思えんわ」
「ふたま……っ 何言ってるの!?」

 ギンの言葉に、モカは顔を赤らめながら言っていた。
 その反応を見たギンは続ける。

「知ってんねやで? モカさん、カイト君とも仲がええんやろ? どー考えてもずるいやん? 自分はそないなふうにしておいてオレは拒むんかい。 ……でもま、 そんなとこも、ますますホレてもーたわ モカさん」
「っ! そんなんじゃ……、わ、わたしは カイトもつくねも……、2人とも、わたしの大切な…………」

 モカは、ギンの指摘に戸惑っていた。
 
 つくねもカイトもどちらも初めてできたかけがえの無い友達だ。この学園で出来た、生まれた初めての、友達だ。……孤独だった自分を救ってくれた大切なひとたちだ。
 だからこそ、二股なんて、考えてもいなかった。

 でも、他人の目から見れば……、そう見えてしまうのか? と戸惑ってしまったのだった。

 そんな、狼狽えているモカを見て、ギンの姿が徐々に変わり始めた。

「さっきも言うたとおり……、満月の夜は自制心弱なるんやぁ……」

 変化がはっきりと見えたのはギンの顔。そして、徐々に強大な妖気も身に纏い、全身の姿も変わっていくのが判った。
 先程と明らかに違うのは、鼻・耳・口。その口許は、収まりきらない程の八重歯……、いや牙が覗いていた。

 その姿は、狼そのものだった。

「こないに気持ちが高ぶってもうたら……、もうすぐ自分がおさえられへんなるやないか。 こうなりゃ 力づくでオレの女になってもらうで! 赤夜萌香!!」

 正体は、ギンの性格そのものの野獣。
 抑えきれない欲望と共に、モカに襲い掛かった。

「きゃああああ!!」

 ギンのその鋭い爪を要した手が、モカに触れる直前。

「ちょっと待ったァーーーー!!」

 誰かの声が、屋上に響いていた。


 その突然の来訪者にギンは驚き振り返ってみて誰かを確認すると、また驚いていた。

 何故なら、そこに立っていたのはつくねだから。

 それ
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