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救世主(笑)で預言者(笑)になりました
プロローグ
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ないが、それでも偶に見る外にそういう認識を持った。あと如何やら、ここは少し村から離れている場所らしく、自分の家族しかいない。彼の家族には父と母、そして兄と姉が居た。数回ぐらいしか、兄と姉は見ていないが、一目見て、まだ幼くとも、将来は美男美女になると簡単に予想出来る容姿をしていた。


その事に彼自身は「あれ? これは俺も期待出来るんじゃねぇか?」と思った程だ。これが、今の彼の日常である。そうして、未だに分からない言葉を聞きながら、彼はゆっくりと眠りに落ちていった。





アレから早いもので、数ヶ月程の月日が経過した時、彼は漸く少しずつだが、言葉の意味を理解し始めた。その事に赤ん坊の頭は凄いなぁと感心した程である。そして、理解し始めた彼は、耳をすまして、時折聞こえる言葉の内容を繋げる事に集中した。彼が聞いた言葉を記しておくと、以下の通りだ。


「───ま、だ──隠し───せ────」

「────子は─────殺さ────ぜっ───」

「──守ろ───ぜった────」


という両親の言葉だ。なにか、物騒な一言があるが、両親の行動と言葉を合わせて彼は推測していった。その推測は、日が傾き始めるまでして、そこで彼はポツリと思った。「これ、俺を誰かから守ってるんじゃね?」と。何故、そう思ったのかは、幾つもある。まず、母親は自分を外に出したがらない。いや、赤ん坊だから、病気の心配をして外に出さないかもしれないが。それでもまだ一回も外に出た事がないのは異常である。


そして時折、聞こえる「殺す」という単語。あと、極め付けはアレだろう。ごく偶に、この家に誰かがやってくる事があるのだ。その度に、母親は自分に毛布を被せ、眼につきにくい場所に隠すのである。これによって推測すると、自分は誰かによって殺されそうであり、両親はそれを隠そうとしているということだ。しかも、話を聞いていく内に、どうやら殺す対象は男の赤ん坊だけらしい。


なんだよそれ、と思考を放棄したくなったりもした。なんで折角、輪廻転生? をしたのに、生まれたのが男だからという理由で殺す対象に狙われなければいけないのか。もしかしたら、なんらかの呪いを持って生まれたからか、それとも両親達の血を恐れているからなのかと考えたりもしたが、それなら先に生まれた兄が殺されていない理由にはならない。


そして呪いも見た感じではなかった。つまりこれは、つい最近に起こった事なのだろう。何故かは分からないが、つい最近から、生まれてくる幼児が男なら殺すようにと誰かが命じたのではないか?


(いや、考えすぎだよな。もしそうだったら、次に生まれてくる子が恵まれねぇよ)


しかし、よくよく考えてみると馬鹿馬鹿しいなと苦笑を浮かべ
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