第40話 表裏一体
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じゃなくて確信?そもそも大くんの彼女なんてできたら、それこそ穂乃果だけじゃなくてことりちゃんや海未ちゃん、花陽ちゃんに絵里ちゃんが黙っていられるはずがない。
大槻さんは嘘偽りありませんと言いたげな表情で、頬を赤らめてもじもじと体をくねらせている。
これは後で大くんを問い詰めなきゃね、という気持ちを、とりあえず置いといて気になるところを聞いてみることにした。
「それでその…大くんの彼女さんの大槻さんは一体穂乃果、ううん私に何か用ですか?」
「その、”大くん”という呼び方は私の前では慎んでいただけますか?」
「え?あ、うんごめんなさい」
「まぁ…貴方が大地くんとどういう関係かは聞くまでもないですが、一つだけ忠告しておきます」
「忠告?」
はい、と彼女はきっと穂乃果に刃を向けるような鋭い目つきで睨んでは更に近づいてくる。そして彼女は耳元でこう囁いた。
???大地君にちかづくな
と。大槻さんはそれだけ言うと、また初めて見た時と同じような柔和な笑みを浮かべている。その姿が怖かった。鼓動が高まるのを止められず、大きな雫が額を伝って鎖骨に流れ落ちる。
「彼は昔から大きな傷を背負っています。高坂さんには決してわからない。だからこれ以上大地君の心を抉るような行動はしないでください。というか、近づかないでください」
「…私だって、知ってるよ」
多分、大槻さんが言ってることは…
「何を知ってるのです?趣味ですか?特技ですか?嫌いな食べ物ですか?私が言ってるのはそこではありません。今の彼を創り出すところを私は言っているのです」
「だったら???」
「六年前」
「っ!!!」
「まさか、私が知らないとでも思ってたのですか?大地君のことならなんでも知ってます。彼の為に、傷ついた心を癒すことだって。それこそ、肉体的に癒してあげたいとも」
ハンマーで殴られた気がした。背負うべき六年前を話に持ち出されて、それで冷静でいられるわけがないよ。久しぶりにカチンときた穂乃果は思わず大槻さんの肩を掴んでいた。
「やめて!!そのことは触れちゃいけないの!!」
「なんでですか!?大地君を守るのは自分だからとでも言うのですか?癒すのも、救うのも自分だと。貴女が?できると本気で思っているのですか?
???彼を傷付けた高坂さんが!?」
穂乃果を見ているようで見ていない、そのうつろな瞳が怒りをぶつける。確かに大くんを追い込んだのは私だ。でも、だからと言ってそのままにしていいわけがないよ。
「…うん。もちろんだよ大槻さん」
「なんでですか」
「いつまでもこのままでいいだなんて思ってない。多分、けじめをつける日はいつかやってくる。でも、今は
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