第40話 表裏一体
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?あ、あぁぁごめんなさい!何でしょうか?」
女子高生に声をかけられていることに気づかなかった穂乃果は裏返った声と同時に後ろのカウンターの台にお尻をぶつけてしまった。若干の涙を堪えてぶつけたところを擦りながら女子高生に受け答えする。
「あ、えっと。今日お母さんが誕生日で何かお菓子送りたいんですけども、プレゼントとして人気な和菓子ってどういうものですか?」
「そう、ですね…でしたらこちらの羊羹なんてのはどうですか?味はもちろんの事、とても可愛らしいラッピングですので、特に女性の方に人気があります!あとは…”穂むら”特製の”ほむまん”も人気ですよ!」
知らないと思うけど、これでも一応”穂むら”の看板娘の一人で、長年ここでお手伝いしている身だ。それなりの和菓子の知識もあるし、年齢によってどの和菓子が売れているのかも知っている。いつもは自称猛進ガールだけど、やることはきっちりやっている…つもりだよ?まぁ、妹の雪穂には、しっかりした部分全部持っていかれちゃったけど。
などと、考えていると女子高生はしばらく二つの商品を吟味した後、10個入りの羊羹を二つほど手に取ってレジの前まで持って行く。
「そちらでよろしかったですか。ありがとうございます!」
「はい、2500円ですよね」
と言って女子高生からお金を受け取る。受け取るときに僅かに彼女の手に触れたが、思わず手を引っ込めそうになったところを寸前のところで抑えて、レジに打ち込む。
???恐ろしく手が冷たかったのだ。
風邪でも引いているのかな?と疑問に思ったが、彼女の顔色にそのような感じを得られず、ただただ首を傾げるでしかなかった。何気ない様子で穂乃果は和菓子を紙袋に入れて、そのまま渡す。同様に手が触れた。今回はわざと触れてみたけど、やっぱりさっきのは勘違いじゃなかった。脳の神髄まで届きそうな冷たい感覚が、少しだけ怖かった。
「ありがとうございました〜またお越しくださいませ!」
だけど、平常心を装っていつもの様に、作業のように声を振り出す。最後に彼女はにっこり笑って「ありがとうございます」とだけ言って、背を向ける。
ほっとした瞬間。
「高坂穂乃果…さんですよね?」
女子高生は…こっちを向くことなく、そう言った。何故知っているのかな?と、最初はストーカーを連想したけど、よくよく考えれば穂乃果はμ`sというスクールアイドルの一員だ。自分で言うのは恥ずかしいけど、それなりに名の知られたグループ。顔や名前を知られてもおかしくないよね、と。それならサインとか連絡先交換とか強請られてもおかしくないと呑気に考えていると、女子高生は穂乃果の方をちらりと見た。髪と同じような藍色の瞳がと
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