第40話 表裏一体
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にちょっぴり優越感があったなぁ。でも、ことりちゃんの時だけはリアクションが全然違かった。
『あ、これはことりちゃんがおれにつくってきてくれたんだよ!あったかいよ〜』
満面の笑みを浮かべて、彼はそう言った。今となってはただ単に自慢したかっただけなんだって理解できる。けど、あの時の穂乃果は大くんの心底嬉しそうな表情と真っ白で、とても小学生が手編みしたとは思えない丹精込めて作られた真っ白なマフラーに圧倒されて、ただ吠えることしかできなかった。話が逸れるけど、既にこの時からことりちゃんは被服系の才能があったんだね〜と思う。
『ほのかだってつくれるもん!!!!!』
そうして、穂乃果は…二月の薄暗い放課後を一人で駆け出して行った。
…その日、高坂穂乃果は誘拐された。
ことりちゃんがいなければこんなことにならなかった。
何回か考えたことがある。ことりちゃんが大くんの前に現れたりせずにいてくれたら、穂乃果は妬んであんな行動せずにいられたのに、なんて。こう考えた時点でもう最低で最悪な人間確定だ。しかも幼馴染の人生を狂わせるという現実付き。もう自分が嫌で嫌で死にたくなって…正直絶とうなんて考えたことだってある。だけど、そんなことを考えていた穂乃果に厳しくも優しく見守ってくれた居るのが今のことりちゃん、海未ちゃんにμ`sのみんな…そして、大くん。
ならせめて、もうこれ以上穂乃果の独断行動でみんなを困らせないようにしたいと考えるのが普通なんじゃないかな?もう嫌なんだよ…誰かを泣かせたり、傷付けるなんて。
…だから、穂乃果はラブライブ!には出場しない。
家に到着し、すぐにタイムカードを押して、割烹着に着替えてカウンターに入る。
とりあえずラブライブ!のことは忘れて家のお手伝いに集中しようと、大きく伸びをして。
「いらっしゃいませー!」
現在店の中には穂乃果を含めて5人。年配の方2人に対して接客しているお母さんと恐らく自分と同い年くらいの女子高校生が1人。肩まですらっと降りた藍色の髪はとても光艶めいていて、真姫ちゃんと同じくらい綺麗だなぁって内心呟いてみたり。身長は穂乃果と似たり寄ったり、気持ち自分の方が高いかもしれない。その髪を片耳にかけながら、店の和菓子を念入りに眺めて、それを手に取っては戻す、を繰り返していた。背筋をピンと伸ばしているのでとてもお淑やかそうな女の子で、自分なんかと次元が違うなぁ、と何故かしょんぼり落ち込んでみたり。
なんで自分が、赤の他人の容姿を眺めて落ち込んでいるのかわからないけど、本当にそんな気分になるのだから仕方ない。
「あ、あのぉ〜、すみません」
「はぁ〜…パンが食べたい」
「あのぉ〜?」
「ひゃいっ!
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