第40話 表裏一体
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おわかりで?」
「でも、話せないようにしたのはほのかだよ?」
「あー…まぁ、うん。せやな。それ言われちゃぐうの音も出ない」
言い返せないところを突かれて俺は視線を空に泳がせる。
「そうじゃなくて…もっとこう…みんなの考えもちゃんとくみ取ってだな?それを踏まえて自分の考えを改めたらと俺は言いたいわけだよ」
「みんな…なんて言うかな」
「それを俺に聞くなよ。というか、第二回に参加するって言ってた時点で答えは出たようなもんだ」
「ふーん…」
俺がそう言うも、穂乃果の心ここに非ずみたいな生返事にちょっとだけカチンとくる。大げさにため息をついて、先を歩くの穂乃果の横を陣取る。まぁ、やる気がないのにそれを強制したところでみんなも楽しめないだろうし…。締め切りまでもう少し時間ありそうだから、とりあえずこの件については保留にし、胸ポケットにつっこんであるスマホを見て時間を確認する。
???じゃ???に…私の???なんて???
穂乃果が何かを呟いた。いつもの元気な声じゃなく、淀んだ低い声で何か大切そうな事を。だけどこの人ごみの中で彼女の低い声なんぞ正確に聞き取れるはずもない。ただ、とある単語だけは聞き取れて、それが心当たりあるんじゃないかと…ざわめく胸をきゅっと締めて、俺は再度、その言葉を脳内で反芻する。
???許されるべきじゃ…ない?
〜☆〜
大くんと別れてから…ううん、あのA-RISEのツバサさんとの会話があってから、どうしてもあの時の光景が鮮明に甦って来て、帰宅途中何度も戻しそうになったのを必死にこらえていた。忘れていたわけじゃない。忘れたいと願っていたのは確かなんだ。でも忘れちゃいけない過去なんだということを夢で、翌日の学校で吐瀉物となって教えてくれる。
???一人の人生を台無しにした罪は重いぞ
そう、言われているような気がして…帰り道もずっと大くんの前を歩いて穂乃果の歪んだ顔を見せないようにした。
何がどうしてこうなったのかなんて…振り返らなくても頭にスラスラと言葉が羅列されていく。穂乃果が…あまりにも幼すぎて、馬鹿で、周りの事なんて全く見ないどうしようもない愚か者だったから。
あの時はちょうどバレンタイン間近の季節。教室で幼き大くんとことりちゃんの会話を見た時から少しおかしいなと穂乃果自身も自覚はあった。毎年、大くんにお菓子やらなにやらをプレゼントしたり、されたりしていた。モテる大くんは、それこそ他の女の子からもらったりしてるのを何度も目撃してるけど、表情は至って苦笑い。穂乃果だけは特別なんだって思える大くんの表情
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