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転生とらぶる
ガンダムW
1578話
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重量はかなりのものだ。それを躊躇なく頭部に振り下ろしてくるとは、思い切り殺しにきてないか?
 俺なら回避出来ると信じているのか、それとも単純に俺を痛めつける事が出来たら、それはそれでいいと判断してるのか。
 その理由の有無はともかく、こちらに向かって振り下ろされる青龍刀に大人しく当たってやるつもりは当然ない。
 足を一歩下げ、身体を半身にする事によって、振り下ろされた青龍刀はあっさりと回避される。
 だが、当然五飛もそんな俺の動きを……自分の一撃が回避されるというのは、予想していたのだろう。青龍刀の一撃が回避されても、特に驚きの類はないままに、再び青龍刀を下から掬い上げるように放つ。
 その動きも身体を最小限だけ動かす事により回避し、すぐ目の前を青龍刀の刀身が通り過ぎていく。
 中々に鋭い一撃と言えるだろう。
 だが、生憎とその程度の攻撃は今までにも、何度となく……それこそ飽きる程に見ている。

「っと」

 目の前を通り過ぎていく青龍刀の刀身に右手を伸ばし、そっと掴む。
 決して刀身を折ったり、曲げたりしないように注意しながら。
 突然空中で自分の振るっていた青龍刀の動きが止まったことに、五飛は驚きの表情を浮かべるが、それでも次の行動に出るのは早かった。
 動かせない青龍刀から手を離し、そのまま俺の胴体目掛けて蹴りを放つ。
 しなやかな身体の動きを利用して放たれた蹴りは、鞭の如き威力を持つ……のだろうが、左手でその蹴りを受け止める。
 五飛の足を握ると、そのまま勢いを付けてやり、空中で一回転させる。
 そのまま足を掴んで床に叩きつけてもよかったのだが、そんな真似をすれば間違いなく五飛は怪我をするだろう。
 こちらの戦力として働いて貰う以上、五飛へ無駄に怪我をさせるつもりはなかった。

「ぬぅっ!」

 空中で身体を捻り、そのまま何とか着地した五飛が見たのは……自分の眼前に突き付けられた青龍刀の切っ先だった筈だ。
 五飛の身体を空中で回転させるように浮かせた後で、そのまま俺の武器として使用される青龍刀。
 自分の武器を奪われ、突き付けられるという行為に五飛は悔しげな表情を浮かべる。

「はい、そこまで」

 道場に響く綾子の声。
 今のやり取りで完全に勝負はついたと、そう判断しての言葉だろう。
 実際問題、この状況から五飛が俺を相手に反撃に出るというのは難しい。
 それこそ、原作でトレーズに負けた時の如く完全なチェックメイト状態だ。
 負けを認めるように身体の力を抜いた五飛を見て、俺もまた突き付けていた青龍刀を床へと置く。
 元々この青龍刀は五飛のものなのだから、あまり他人には使わせたくないだろうし。

「俺の……負けだ」

 小さいが、確実に自分の負けを認める声が道場の中に響く。

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