第3章:再会、繋がる絆
第82話「修理と“帰るべき場所”」
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魔法”や、霊術の術式ともどこか違っていた。
まるで“そうするためだけにある魔力”のように、術式を必要としていなかったのだ。
「...概念的な側面からの干渉です。...こればかりは、“感覚”で魔力を扱わないと上手く行きませんからね。」
「概念的...つまり、形を為さないのか...?」
「そういう事。ジュエルシードの本質は“祈りの結晶”だからね。術式というより、思念の塊なんだ。...だから、こちらも思念を使って干渉するしかない。」
思念に魔法のようなシステムを用いて干渉するというのは、煙などに直接殴り掛かるようなものだと優輝は説明する。
「...理解も納得も追いつかないな。」
「無理に理解をする必要もないけどな。理屈で成り立ってる訳じゃないし。」
頭を悩ませるクロノに優輝はそういう。
「言霊...言葉に力を持たせるというものが、日本にはあるわ。似たようなものなら、他にもあるかもしれないけど...。」
「所謂概念を扱う術...って感じかな?日本じゃ、神々がよく扱ってたよ。あたしは実際に見た事ないし、かやちゃんの記憶からの話だけど。」
椿と葵の補足も付け足され、クロノは“優輝だから仕方ない”と考えるのを放棄した。
「....さて、と。これで今あるジュエルシードは全て直しましたけど、どうしますか?」
「そうね...優輝君は扱えるのかしら?」
「一応は...ですね。シュラインを介せば、ある程度のコントロールが利きます。」
優輝の言葉を聞き、リンディは少し考え込み...。
「...じゃあ、戦闘になるまではこちらで預かるわ。戦闘時は全て優輝君に一任するつもりだから、きっちり責任を持つようにね?」
「艦長!?」
「分かってますよ。」
明らかに優輝を贔屓するような発言に、クロノは驚く。
しかし、クロノも管理局員として驚いているだけで、優輝に預けるというのは理解しているみたいだった。
「さて、私たちも少し休憩したら仕事に戻るわ。優輝君もまだ時間はかかりそうだし、ゆっくりして頂戴。」
「...休憩したらって言いますけど、僕がジュエルシードを直している時、途中から少しくつろぎながら見ていましたよね?」
「........。」
そう指摘されて、リンディは目を逸らし、クロノは苦笑いする。
そう。リンディは途中からお茶を飲みながら優輝を監視していたのだ。
...一応、これは信頼から来る行動である。監視としては不適切だが。
「まぁ、なんでしたら手伝いますよ。じっとしてるのは性に合わないし、休息なら既に十分取ったので。」
「...邪魔にさえならなければいいが...。艦長?」
「ええ、いいわよ。クロノの言う通り、邪魔には
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