暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第82話「修理と“帰るべき場所”」
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いような感覚を思い出し、つい後ずさる。
 それに構わず、彼はさっき私が呟いた事を問い詰めてくる。

「あいつに何かされたのか!?」

「...別に。偽物が言っていた事を考えてただけ。」

 魅了されていた時の記憶を思い返すだけでも、彼は思い込みが激しい。
 優輝さんを目の敵にしている事から、つい対応を冷たくしてしまう。

「嘘つけ!奏は今まであいつの事を名前で呼ばなかっただろう!?」

「.......。」

 ...言われてみて、気づいた。
 記憶を思い返してみても、魅了されている私は優輝さんの名前を呼んだ事がなかった。

「(いくらなんでも、それはひどい...。)」

 恩人である優輝さんと、魅了されていたとはいえ一切名前を呼ばずに接していた事に、私は罪悪感を感じてしまう。
 罪悪感を感じて少し落ち込んだ事に気づいたのか、神夜は過剰に反応する。

「まさか、あいつに何かされたのか!?」

「っ....!」

 ...それも、完全に思い違いをして。
 思わずこちらも過剰に反応してしまう所だった。

「(....落ち着いて。どうせ、どんなに優輝さんを擁護しても意味がない。)」

 彼に対して渦巻く、言いようのない怒りや憎しみを抑え込んで冷静になる。
 多分、魅了されていたから嫌悪感があるのだろう。
 ...それに、何を言っても彼は優輝さんを“悪”と見ている。
 魅了されていた時の時点で、彼はそうだった。

「...気が付いただけ。」

「なに...?」

「あの人に向けていた感情も、想いも、印象も、全部中身のない、ただの“嘘”だったと気づいただけ。...“偽物”の感情だったから、名前も呼んでいなかった。」

 誤魔化す。意味深な感じな事を言っておけば、大体は誤魔化せる。
 ...実際、言った事は事実なんだけどね。魅了のせいで偽の感情を持っていたし。

「それは...どういう...。」

「...私が優輝さんの事を名前で呼んで、何か問題でも?」

 理解が追いつく前に、話を逸らしていく。
 どうせ勘違いするのだから、煙に巻いてしまう方がいいだろう。

「っ、そ、それは...。」

「私は神夜の何?神夜に私の事を縛れる理由はない。」

 そういって立ち去る。...長居しても意味ないだろう。
 それにここ、食堂だし。

「...まだ事件は終わってない。余計な事で反応しないで。」





 ...さて、立ち去ったのはいいけど、どうしようかな...。

「もっと上手く動けるように....はダメ。せっかく休んでいるのに、魔力を消費したら意味がないもの。だったら...。」

 どうしようか、と思考を巡らせていると、エンジェルハートが口
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ