第3章:再会、繋がる絆
第82話「修理と“帰るべき場所”」
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いような感覚を思い出し、つい後ずさる。
それに構わず、彼はさっき私が呟いた事を問い詰めてくる。
「あいつに何かされたのか!?」
「...別に。偽物が言っていた事を考えてただけ。」
魅了されていた時の記憶を思い返すだけでも、彼は思い込みが激しい。
優輝さんを目の敵にしている事から、つい対応を冷たくしてしまう。
「嘘つけ!奏は今まであいつの事を名前で呼ばなかっただろう!?」
「.......。」
...言われてみて、気づいた。
記憶を思い返してみても、魅了されている私は優輝さんの名前を呼んだ事がなかった。
「(いくらなんでも、それはひどい...。)」
恩人である優輝さんと、魅了されていたとはいえ一切名前を呼ばずに接していた事に、私は罪悪感を感じてしまう。
罪悪感を感じて少し落ち込んだ事に気づいたのか、神夜は過剰に反応する。
「まさか、あいつに何かされたのか!?」
「っ....!」
...それも、完全に思い違いをして。
思わずこちらも過剰に反応してしまう所だった。
「(....落ち着いて。どうせ、どんなに優輝さんを擁護しても意味がない。)」
彼に対して渦巻く、言いようのない怒りや憎しみを抑え込んで冷静になる。
多分、魅了されていたから嫌悪感があるのだろう。
...それに、何を言っても彼は優輝さんを“悪”と見ている。
魅了されていた時の時点で、彼はそうだった。
「...気が付いただけ。」
「なに...?」
「あの人に向けていた感情も、想いも、印象も、全部中身のない、ただの“嘘”だったと気づいただけ。...“偽物”の感情だったから、名前も呼んでいなかった。」
誤魔化す。意味深な感じな事を言っておけば、大体は誤魔化せる。
...実際、言った事は事実なんだけどね。魅了のせいで偽の感情を持っていたし。
「それは...どういう...。」
「...私が優輝さんの事を名前で呼んで、何か問題でも?」
理解が追いつく前に、話を逸らしていく。
どうせ勘違いするのだから、煙に巻いてしまう方がいいだろう。
「っ、そ、それは...。」
「私は神夜の何?神夜に私の事を縛れる理由はない。」
そういって立ち去る。...長居しても意味ないだろう。
それにここ、食堂だし。
「...まだ事件は終わってない。余計な事で反応しないで。」
...さて、立ち去ったのはいいけど、どうしようかな...。
「もっと上手く動けるように....はダメ。せっかく休んでいるのに、魔力を消費したら意味がないもの。だったら...。」
どうしようか、と思考を巡らせていると、エンジェルハートが口
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