暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第82話「修理と“帰るべき場所”」
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 他にも魔力を供給できたり、パスを繋ぐことで治療もできる。

「デメリットは...“危険性”がなくなる分、安易に利用されやすいという所でしょうか。ただ、これはシュライン曰く、天巫女が正式に“所有”する事になれば解消されるらしいです。」

「そう...。」

 なんでも、天巫女以外は簡単に干渉できなくなるらしい。
 しかも、所有者の天巫女は干渉される事に気づけるようで、阻止も簡単だ。

「....優輝君の事だし、悪用はないと信じるわ。....今回は特別よ。」

「母さ...艦長!?」

 許可が出た事に、クロノが驚く。
 ...正直、僕も随分あっさり出された事に驚いている。

「ただし、私とクロノの監視を付けるわ。...いいわね?」

「...それだけでいいのなら。」

 リンディさんは、もしかしたら司さんとの戦いを危惧しているのかもしれない。
 ジュエルシード二個分であの偽物の強さだ。いくら神降しという切り札があっても、確実に勝てるとは言い難い。
 だから、少しでも戦力を増やしたいのだろう。

「ではクロノ、ジュエルシードを。」

「...分かりました。」

 リンディさんはクロノに指示を出して、出してあったお茶を飲んだ。
 ....本当に、信頼されているな。なら、それに応えないと。

「長丁場になるだろうけど、付き合ってくれよ?」

「分かってるわ。」

「異常事態での封印は任せて。」

 一緒に来てくれていた椿と葵に声を掛け、僕らはジュエルシードの修理に臨んだ。











       =奏side=





「ふぅ...。」

 昼食に食堂で麻婆豆腐(激辛)を食べながら一息つく。

「(やっぱり、全体的になんだか軽くなった感じ...。)」

 夢の中で魅了が解け、優輝さんとも本当の意味で再会した。
 魅了が枷になっていたのか、解けてから少し体が軽く感じる。
 だからこそ、偽物との戦いでも上手く動く事ができた。
 ...さっきの葵さんとの模擬戦ではあまり上手く動けなかったけど。

「...ごちそうさま。」

 食べ終わり、食器を返しながら私は思考を巡らす。
 ...考えるのは、“聖奈司”さんの事。

「(まるで、“記憶が改竄されていた”という事がなかったかのように思い出した...。)」

 そう、私は司さんの事を思い出していた。
 タイミングは、おそらく魅了が解けた時。
 多分、魅了のついでに記憶改竄も解けたのだろう。

「(...と言っても、思い出した所で何も変わらないのだけど...。)」

 私が思い出した所で、司さんを救う事に変わりはなく、またプラスにもならない。
 
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