卍(まんじ)
[10/15]
[1]次 [9]前 最後 最初
同じように彼女の腰に左腕を回すと、秘所に舌を絡ませていく。
右手は妙の脛、膝、太腿、臀部を素早く往復していく。
「んんっ……!」
未知の快感に妙の体は一瞬こわばるが、すぐに力を緩めて、より感触を味わうようにゆったりと九兵衛の敏感な部分を舌でなめていき、先ほどよりもゆっくりと彼女の脚に右手を蠢かして、寒天のように柔らかい感触を楽しんだ。
この格好、ウロボロス(互いのしっぽを食い合う2匹の蛇で出来た輪)みたいで、初めて知った時から九兵衛は好きではなかったのだが、思い人の優し気な行為からくる快感、そして自分も、好きな人を喜ばせたいという思いから、九兵衛もだんだんと夢中で妙の桃色の突起にむしゃぶりつく。
突起が硬くなっているのは、相手が快感を感じている証拠だ。
「んっ……くっ……!」
が、歳の功か、妙のほうが技術がうまいようだ。
だんだん感じる刺激が激しくなる。
意識が、飛ぶ。
このままでは自分が、妙よりも先に限界に来てしまう。そう悟った九兵衛は、
「妙ちゃん、待って! いったん手をどけて!!」
真剣な声に、思わず妙は九兵衛の腰に巻き付けていた左腕を外す。
九兵衛は妙の秘所にむしゃぶりつくのをやめ、向きを変えて布団から顔を出し、再び瞳を彼女と合わせた。
「妙ちゃん……」九兵衛は妙に覆いかぶさるように上になり、言った。「僕、妙ちゃんと一緒に気持ちよくなりたい……」
「うん、いいよ、九ちゃん」
九兵衛は、妙の白い左脚を浮かせ、下に自分の細い右太腿を滑り込ます。互いの股間の一番敏感な秘所を接触させると、ニチュリという音、及びお互い痛みとくすぐったさの中間のような感覚を感じ取った。
九兵衛は一瞬、『卍』という字を頭に思い浮かべた。
本来の男女の体位とは違う気もするが、足を絡めあい、快感を共有しようという今の状態はまさに『卍』だと思った。
妙の両掌に自分の両掌をそれぞれ重ね合わせ、お互いの手の平を握りしめるように両指を絡ませる。
男として育てられた自分がリードしなければ。そう思って九兵衛が、その状態で腰を前に動かすと、クチュリという音とともに、2人の体に先ほどの感触が走る。
先ほどと同じ、痛みとくすぐったさの中間ぐらいのものだが、それは苦痛ではなく、快感と呼べるものであった。
お妙の顔が、その感覚に歪む。媚薬の影響で感度がさらに増している。
もっと、味わいたい。もっと、もっと、もっと。
お妙の顔と薬の作用によって、九兵衛の理性が再び吹き飛び、ゆっくりながら、何度も前後に腰を動かし、お互いにくっつけている敏感な部分を刺激する。
「あっ……あんっ……九ちゃんっ……九ちゃん……」
鼻にかかった甘えるような声とともにお妙も、一緒にぎこちなく腰を動かし始めた。
九兵衛の顔も、
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ