ハイスクールD×D 器用で不器用な赤龍帝 2
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れなかったツケだ。それを払うときが来ただけのことだ。とっとと選べ。旧魔王派を切り捨てるか、切り捨てないか!!」
苛立ちから叫ぶが総督もミカエルも何も言わない。代弁をしたと考えていいだろう。黙り込むサーゼクス・ルシファーに失望する。ここは切り捨ての一択しかない。その後に裏で動けばいいだけなのによ。攻撃が激しくなり、騒々しくなる。
「総督、安全の確保のために殲滅する」
「ああ、任せる。ヴァーリもだ。二天龍の力を存分に見せつけるといいさ」
「そうさせてもらおうか」
ヴァーリが鎧を纏い、裏門の方に飛び出していくのを見送り、正門の方から攻めてくる奴らを相手にすることにする。鎧を纏う必要はない。やることはワンアクションと譲渡を2回だけだからな。上着を脱いで広げて横に仰ぎ、発生した風を65000倍程にする。一瞬にして爆風が起こり、校庭に居た奴らが結界に叩きつけられて潰れたトマトみたいになる。そして、爆風が他に被害を出す前にエネルギーの拡散率を13万倍にしておく。
「これで終わりっと。この程度で世界を変えようだなんて笑えてくるよ。そうは思わないか、ヴァーリ」
ヴァーリも片付け終わったのか校庭までやってきていた。やっぱり戦うのしかないのかな。
「一誠、お前は何故そこまで強くなった」
「そうだな、子供の頃、3歳ぐらいだったか。夢で未来っぽいものを見た。成長したオレが色んな者を相手に死にかけになりながらも仲間と共に戦い続ける夢を。ただそれだけだ。ただの夢だと切り捨てても良かった。だけど、それができなかった。何とも言えない強迫観念に襲われて、ただ力を磨いた。最初は楽しかったさ。今みたいに冷めちまったのは言わずと知れた3年前のオリンピック。気付かされたんだよ、オレが一般人から外れちまったんだってな。それからは、ただ夢の通りの出来事が起きれば良いとすら思い始めた。一般人から外れてしまったのなら、外れた先の非日常なら居場所があるはずだと」
そうして出会っちまったんだよな、レイナーレではなくミッテルトに。
「そして、夢の一番最初の出来事が外れた。出会う相手が違った。その時の気持ちがわかるか、ヴァーリ。オレは信じてきたものにさえ裏切られた」
あの時は内心かなり乱れていた。日頃から感情を出すことをやってなかったから表面上は普通に見えただけだ。それでも涙が溢れるくらいには辛かった。
「だけど、その出会いがオレを救ってくれた。ミッテルトは周りに流されるように生きながらも、自分で決めた芯をしっかりと持っていた。それだけで彼女は輝いていた。そして理解した。周りから影響を受けたものではなく、自分自身でこれと決めた芯を持っているものは美しく尊いものだと。そんな彼女と共に生きていきたいと」
赤龍帝の鎧を展開して身構える。
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