ハイスクールD×D 器用で不器用な赤龍帝 2
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、グレモリー先輩達には顔を合わせづらいからね。とりあえず、エクスカリバーはちゃんと変換しておかないとね。
「君が教会から派遣されているエクソシストであってる?」
「あ、ああ、そうだ。ゼノヴィアという。お前は?」
「グリゴリ所属の赤龍帝。コカビエルの処分にやってきた。フリードとバルパーはおまけで、儀式の邪魔はボランティア。イリナちゃんとは友達だからね」
「そうか、お前がイリナの言っていた一誠か。協力に感謝する。これでイリナの奴も報われるだろう」
「……えっ?」
「イリナは、主の元へと旅立った。お前に渡してほしいと預かった」
そう言ってゼノヴィアが渡してきたのは、去年のイリナちゃんの誕生日にちょっと奮発して贈ったブローチと髪飾りだった。所々壊れてて、血が付いていて、最後の時に身に着けていたのが分かる。
「……ゼノヴィアさん、イリナちゃん、苦しまずに逝った?」
「泣いていた。色々と後悔もしていた。前のオリンピックの時からずっと、お前のことを気にかけてた。手紙を読んでも、お前が無理してるって、ずっと言ってた」
「そっか。そっか。バレてたんだ。手紙じゃあ、そんなこと、一言も書いてなかったのに。ずっと心配かけてたんだ。それなのに、オレは」
甘く見ていた。この世界で17年も生きているくせに、現実だと理解していなかった。既に原作から乖離しているのに大丈夫だと、心の何処かで楽観視していた。覚悟が足りなかった。その結果がイリナちゃんの死。ミッテルトと一緒に生きていくと決めたことに後悔はない。そのために駒王から離れたのも。だけど、積極的に原作に関わるべきだった。受け身でいた所為でイリナちゃんを失ってしまった。
そこからなんとかコカビエルの羽を回収してアザゼル総督に報告して自宅に戻る。
「おかえりなさいっす、イッセーさん」
出迎えてくれたミッテルトを抱きしめる。
「ちょっ、どうしたんっすか!?」
「ごめん、ちょっとだけこのままで」
ミッテルトのぬくもりを感じながら、ミッテルトを失わずに済んだのは間違いじゃなかったんだと再認識する。
「大丈夫っすよ。ウチは傍にいるっすよ」
「ああ、そうだな」
「今日はもう寝ちゃいましょう。寝て起きたら、多少は落ち着くっすよ。話はそれからで十分っす」
「すまん」
そのままミッテルトに誘導されるままにベッドに寝かされる。その間もミッテルトを抱きしめたままだ。
「お休みなさいっす、イッセーさん」
「ああ、お休み、ミッテルト」
ミッテルトのぬくもりを感じながら眠りにつく。このぬくもりを手放した時、オレは修羅となろう。この世を滅ぼす悪となろう。そしてのたれ死のう。オレにはそれしか出来ない。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ