暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 38
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
知れない。恨まれるかも知れない。でも私は……仮定でしかない未来に絶望するより、今此処に在る確かな想いを選ぶよ)
 「!」
 俯き気味で視線をさ迷わせる自分の肩を、ぎゅうっと強く抱き締める。初めてハウィスと会った、あの時と同じように。
 どうか……どうか、伝わって。
 今も私を温めてくれてるハウィスの気持ちを、どうか受け入れて。
 (ハウィスは生きてる。アルフィンもマーシャルさんもベルヘンス卿もエルーラン王子も、みんな生きてる。だから、お願い)
 赤黒いこの世界(まぼろし)を、現実にさせないで。
 (みんなを……ハウィスを助けて。助けさせて。お願い、私)
 目覚めて直ぐに悪行の報いを受けるとしても。
 此処で。こんな形で。
 死に逃げさせないで。
 「……ス……」
 腕の中の自分が震え出した。
 私の肩に温かい雫がパタパタと落ちて

 「ハウィスーーーーーーーッ!!」

 幼い叫び声と共に世界が色を失い、輪郭を……
 変えた。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ