闇斬
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私を誰だと思っているのですか? 今では元老院付きにまで出世いたしましたが、元々は闇斬りの血を受け継ぎ、影に生きていた存在……私の情報収集能力を侮らないで頂けますか?」
闇斬り師……闇に堕ちた魔戒騎士や法師を粛清する宿命を背負った影に生きる魔戒法師でだしその強さは並みの騎士を遥かに凌駕すると言う……。
噂はかねがね耳にしていたが、その姿を目撃した者はおらず、昔から語り継がれるただの伝説だと思っていたが、綺羅がその闇斬り師だと言うのか。
「少しは私に興味を持ってくれましたか?」
「で、その元闇斬り師さんはどんな情報を持ってるんでしょうか?」
「相棒でもない貴方に共有する情報なんてありませんよ」
いちいち揚げ足を取ってくるムカつく女だ……。
とにもかくにも真由ちゃんがこの場にいては、詳しい話しをすることができない。
「まぁ真由ちゃん、今日は帰りな」
真由ちゃんは何か言いたい事があるのかモジモジしていたが意を決したかのように口を開く。
「あのぉ……実は零さんにお願いがあります 今日、一緒に鳥井坂署まで来てほしいんです」
「悪いけど、聞いた通り俺は魔戒騎士だ 指令があってこの街に来たんだ」
何を言い出すかと思えば……。
とっとと指令を完了したいのに、魔法使いやファントムなんかと関わっている暇はない。
「それは分かってます……でも凛子さんが魔法使いでもない見ず知らずの人を呼んだって事は本当に切羽詰まってるんだと思うんです」
「断る 俺は忙しい」
「意味がないと思っているものが実は重要だったりしますけどね」
「どういう意味だ?」
まさかこの綺羅と言う魔戒法師は今回の件に関して何か情報でも掴んでいるのか?……。
警察が番犬所ですら掴めていない情報を本当に持ちうる事があるだろうか?……。
仮に綺羅が知っているとして何故そんな情報を綺羅が把握しているのか……。
俺は綺羅への疑念を深めるが、まだ確証があるわけではない。
「分かった……話しを聞くだけだ」
「ありがとうございます!」
今、こちらには何の情報もないのも事実。
行って有益な情報を持っていれば、ラッキーくらいに思って話しくらいなら聞いてやるか……。
「意外と素直じゃないですか 零ちゃん」
「確かにあんたの言う事も一理あるからな……俺は大事になる前に何とかこの指令を終わらせたい 良かったら力を貸してくれ」
綺羅が敵なら俺の情報を集める為に近づいたはず……。
それなら俺も近くで綺羅が何を企んでいるのか観察してやろう。
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